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どう考えても営業時間やろ、ってな昼間に呼び出され、木目調の扉を叩いたのが1時間前。そんなに広くもない店内は案の定客でいっぱいで、ホールを回してたこの二枚目に「すんませんいま席カウンターまでいっぱいなんですわ」と苦笑いで帰されそうになった。なんや!呼んだんそっちやろ!
「あ、いや、店来たんちゃうくて、あの〜バイトの、面接なんすけど」
「え…あ!そやそや忘れとった!」
「はぁ?流星面接ってこの時間に呼んだん?」
「やって朝は起きられへんし、夜は店終わんの遅いやんか〜」
「そうかもしれんけど、なんでまたこのいっちばん忙しい時間帯に…」
「15分面接するって言ったら、怒る?」
「怒る、っていうかどつく、しばく」
「暴力反対やって〜」
「ちゅうかどう考えても不可能やろ!満卓キッチン一人で捌ききれるかい!」
「えー、ほなどうしよ…」
いや、俺もわかっててん。家から近いからって単純な理由で選んだバイト先。毎日ここの前通るし、昼間は結構賑わってるんも知ってた。やから俺やって電話でちゃんと確認してんで?営業時間中で大丈夫ですかーって。
ホールを回してるえらい若そうな二枚目と、キッチンに立つ貫禄のあるオニイサン。見たところ店員はこの二人なんやろか。聞いた感じアポ取った時の電話の相手はあっちのバイトやな、ぽやっとしとるし使えへんバイトや…店長困っとるやんけ。
「あー、じゃあ、あの〜…ってか時間あります?」
「え、あー、はい」
「いまから1時間くらい、大丈夫?」
「大丈夫です」
「そしたら、ちょいこっち来てもらって〜」
レジ横からキッチンに通されそのまま奥へ。外見も洒落てると思ってたけど、店ん中も見えへんとこまでおしゃれな内装やった。北欧から来た大型家具量販店か!っちゅうようなモデルルームみたいな部屋に通され、バックヤードらしくないええ座り心地のソファに座らされる。
「甘いもん食べる方?」
「え?あー」
「苦手?」
「いや、食べれますけど…」
なんや、面接始まったんか?と戸惑ってるうちに、壁の向こうから「りゅーせー!!!」と半ギレ状態の店長の声が聞こえる。小型犬みたいにびっくぅ!とした二枚目が慌てて俺を向いた。
「ほなちょっとだけここで待っててな、ほんますんません!」
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作者名:ぐりむ | 作成日時:2017年5月14日 9時