赤い糸を切っちゃうプロ( 和哉 ) ページ11
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呼び出された放課後の校舎裏。隣のクラスの佐藤くん。これはまさか、もしかすると、私にも春がくるかもしれない!いやー、告白だったらどうしよう!運命なんてどこに転がってるかわかんないしね!付き合ってみるのもアリアリ!
なんて浮かれ調子で帰り支度を済ませ、いつもは一緒に帰るはずの幼馴染に声を掛ける。
「和哉ごめん!今日お先!」
「え、なに、用事?」
「ちょっとねぇ」
「お前に用事とかあるのが驚きだし顔がにやけてて気持ち悪い」
「...じゃあお先に!」
普段なら言い返すところだが今日はそんな時間はない、私は一度きりの青春の為に急いでいるのだよ松村くん。なんて心の中で呟きながら校舎裏に向かう。
『ずっと好きだった、付き合ってほしい』
「佐藤くん...」
あぁ何もかも予想通り、私きっと今恋愛ドラマみたいな純粋な恋愛をして...
「ひっ!?」
「お前の用事ってこれ?」
佐藤くんに 私でよければ。 なんて返事をしようと息を飲んだ瞬間。突然後ろに腕を引かれ驚いて後ろを見ると、そこに立っていたのは紛れもなくさっき悪態をついてきた私の幼馴染。
「え、ちょっとなんで居るの意味わかんない」
「...」
「なんとか言って...?」
「佐藤くん?だっけ?」
「いやそっちにじゃなくて」
「悪いけど、こいつ俺のだから」
「...はい?」
「ほら、行くぞA」
「いや、え?ちょっと待って、ともやっ」
開いた口が塞がらない佐藤くんを横目に私の手を引いて校舎裏を後にしようとする和哉。男の力には逆らえないと悟った私はとっさに「佐藤くん、ごめんなさい!」なんて叫んでいた。
今日のところはごめんなさい、なのか告白の返事がごめんなさい、なのかあやふやな答えをしてしまった事なんて考える余裕は目の前のこの男によって与えられていない。
「付き合えれば誰でもよかったんだろ?」
「...」
「否定しねぇの」
「だって」
「言い訳なんていらねぇよ」
「ごめん、なさい、」
「黙って俺にしとけよ」
「っ、え、」
「誰でも良いなら俺にしとけ」
なんだろう、心臓が暴れ回って煩い。触れたままの手がジンジン熱を持って熱い。頬が溶けてしまいそうなほど上気している。これはまさか、いや、でも
「私なんかでいいの」
「私なんか〜って言う奴俺嫌い」
「うっ...」
「一回しか言わねぇからな」
「...?」
「俺はお前がいいの」
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あっとまーく - 林さん» 壮くんとドラマで共演して仲良くなり付き合うっていう話読みたいです!少し長くなってしまいますかね?よろしくお願いします! (2017年11月3日 18時) (レス) id: aa64b92b3e (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - あっとまーくさん» ありがとうございます!( ; ; )またお待ちしてます!! (2017年10月23日 0時) (レス) id: fbd62e5557 (このIDを非表示/違反報告)
林(プロフ) - まほさん» リクありがとうございます!書かせていただきます! (2017年10月23日 0時) (レス) id: fbd62e5557 (このIDを非表示/違反報告)
あっとまーく - 林さん» イメージ通りの話で凄い良かったです!また思いついたらリクエストします。 (2017年10月15日 11時) (レス) id: aa64b92b3e (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - 壮吾のお話の続きでイチャイチャしているお話がみたいです!お願いします! (2017年10月14日 20時) (レス) id: 5cc7a201b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:林 | 作成日時:2017年10月9日 0時