曖昧

あの夜のいくじなし ( 和哉 ) ページ2

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「ともやさん、暑いよ」

「俺疲れてるの、我慢して」

「月一の甘えたデーですか」

「うっさい。黙ってこうされてて」




握手会があった日なんてのはツイッターで「和哉 握手」だの「和哉 レポ」だの検索をかけて一人で少しの嫉妬に駆られている、と言っても今日がその日だ。自業自得だが非常にモヤモヤする。



「このモヤモヤはどこへやれば」

「なに？」

「何でもないです」

「モヤモヤしてんの？」

「聞こえてるじゃんバカ」

「ほんとAって一言余分」




このまま私が身体ごと奪って仕舞えばこの行き場をなくして私の心のど真ん中を陣取ったモヤモヤ達はどこかに消えてしまうのだろうか、この前の握手会の日はなぜ断られたのだろうか、疲れていたんだろうか、色々な事象が頭を巡っては消える。



「A」

「なに」

「なんで泣いてんの」

「泣いてない」

「泣いてる」

「泣いてない、」




「この前の握手会の日」

「、うん」

「俺が帰ってきたら今日と一緒の顔してた」

「っえ、」

「俺がお前のこと気付かないと思った？」





いつのまにか光を失った電球
軋むスプリング






「お前のこと大事にしたいって我慢してたけど」
「もう我慢しないから。」








彼の声が闇に溶けた








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