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「、隆二くん!」
彼は、ちょうど一つ目の角を曲がろうとしていたところだった。
閑静な夜の街で、今をときめく芸能人の名前を大声で叫んでしまい少し焦りもしたが、そんなことはどうでもいい。
私の声に足を止めた隆二くんが、くるりと振り返る。
その顔はにこやかで、まるで「おいで」と言っているかのよう。
その微笑みに誘われるように彼の元まで駆けていくと、息の切れた私を笑った隆二くん。
隆「ふふ、A。
…どした?」
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息を整えて。まっすぐと前を向いて。
あたしへの恋心を犠牲にして、それでもなおあたしへの愛を持って接してくれた人。
誰よりも苦しんだはずなのに、あたしの幸せのためにと支えてくれた人。
言いたいことがありすぎて全て伝わるかわからないけれど。
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「…いっぱい、ありがとう。」
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とりあえず1番最初に、あなたに感謝を伝えたかった。
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隆「…A。」
「…隆二くんのおかげでここまで…!…なんて言ったら皮肉かもしれないけど、…でも本当に、隆二くんがいなかったら、あたし…。
…〜〜っ、もう、なんて言ったらいいかわかんないっ…。」
溢れる思いとは裏腹に、自分のボキャブラリーの乏しさに腹立たしさを覚える。
感極まって溢れた涙が隆二くんを遮っていくなかで、隆二くんはずっと笑ってた。
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尼崎の雑草になりたい(プロフ) - イッキ読みしました!笑中2ころから書かれてたなんて、すごいです!臣くんと隆二くんの特徴とか健ちゃんの感じも汲み取っててとても素晴らしい小説でした! (2019年3月23日 1時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 昨日の夜から読み始め今読み終わりました…もう最高っ!何度泣いてしまったか…すごく苦しい場面もありましたがすごく素敵なお話ありがとうございました!! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 73f9f33188 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!!一応書き手としている身としては、この上なく嬉しいお言葉…!!(T ^ T)またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いします! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - さくらさん» 返信がすごく遅くなってしまいました……ありがとうございました!!それどけの感動を与えられたのなら、もう満足です。有難い限りです。ご愛読本当にありがとうございました!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
mii - 凄くやばかったです!もう読んでて満足とゆーか、楽しかったです! (2016年10月19日 19時) (レス) id: 38aaae60ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくしょー青春。 | 作成日時:2015年12月29日 0時