《完結》契約済み。7

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「え、待って、どういう…。」



広臣の思いもよらない言葉によって、今までの憶測が崩れていく。




偽物、って…。


なにが？



あの傷をつけたのが、広臣のファンってことが？



あの傷の存在自体が？



臣「有紗、元カレから…俺の前の彼氏から、DV受けてたらしくて…。」



…！




臣「その彼氏に、やられたんだと。


だけど、俺にバレたら別れを告げられるって思って、ずっとメイクで隠してたって…。」




…嘘…。



伏し目がちになった広臣から告げられた傷の経緯と有紗さんの過去は、あまりにも過酷で。



頭の整理が、つかない。



「待って…。

え、DV…？


そんな…、それを、有紗さんはずっと1人で抱えてた…？」



臣「…ああ。」



「なんでっ…。


そんな悲しい傷を、有紗さんは、人を騙すことに使ったの…！！」



ねえ、有紗さん。なんで。



消したくても消せない、怖い思い出のこびり付いたその生傷を。



たたでさえ、思い出したくなかったはずなのに。



なんで。また、あなた自身の手で。




悲しい思い出に染めてしまったの…！




そんなことしたって、広臣が快くあなたの手に入るわけじゃないじゃない…！！


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こみ上げる、有紗さんへの怒りと嘆き。



静寂な部屋に、私の嗚咽だけが響く。





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