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「身体の関係が始まったのも気まぐれで、あたし達が離れる時も、こんなふうに曖昧だった。
…最初から何も得てないあたしたちが離れることに、何も失うものはなかったし。
だからきっと、広臣は今もちゃんと元気にやってるはず。
…そうでしょ?」
お兄ちゃんは、あたしから目を伏せることも相槌を打つこともせず、依然として驚いた表情のままあたしを見つめていた。
だらしなく開いた口から、言葉が発せられるわけでもない。
ただ、膝の上に置いた手のひらはいつの間にか拳になっていて、音もなくわなわなと震えている。
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「…広臣があたしにちょっかいかけだしたのは、きっと。」
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あたしが恋だと勘違いした、
捕まったら逃げられないほどの、広臣の甘い罠はきっと。
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「…魔が指しただけなんだよ。」
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──────スパァァァンッ!
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最後の言葉を言い放ったあとの沈黙が辛すぎて、お兄ちゃんから目線を逸らしたのと、
リビングと和室を隔てるふすまを引き破るような鋭い音がこちらの耳に届いたのは、
一体どちらのほうが早かったのだろう。
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尼崎の雑草になりたい(プロフ) - イッキ読みしました!笑中2ころから書かれてたなんて、すごいです!臣くんと隆二くんの特徴とか健ちゃんの感じも汲み取っててとても素晴らしい小説でした! (2019年3月23日 1時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 昨日の夜から読み始め今読み終わりました…もう最高っ!何度泣いてしまったか…すごく苦しい場面もありましたがすごく素敵なお話ありがとうございました!! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 73f9f33188 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!!一応書き手としている身としては、この上なく嬉しいお言葉…!!(T ^ T)またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いします! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - さくらさん» 返信がすごく遅くなってしまいました……ありがとうございました!!それどけの感動を与えられたのなら、もう満足です。有難い限りです。ご愛読本当にありがとうございました!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
mii - 凄くやばかったです!もう読んでて満足とゆーか、楽しかったです! (2016年10月19日 19時) (レス) id: 38aaae60ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちくしょー青春。 | 作成日時:2015年12月29日 0時