検索窓
今日:3 hit、昨日:12 hit、合計:811,353 hit

○*。324 ページ37

.




とぼとぼと歩いて帰った玄関先で、広臣が出迎えてくれた。




臣「おかえり。」


「…ただいま。」



隆二くんが去っていく後ろ姿を見る前に、いたたまれなくなってあたしが逃げてしまった。




臣「隆二、どうだった?」



「うん…。


『支えてくれてありがとう』って言ったら、『俺の方こそ、ありがとう』って言ってくれた。」



臣「ふうん。良かったじゃん。」





広臣が温かいココアを入れてくれて、ソファに座るあたしの横に腰を下ろした。



ずぶんとソファが沈んで、''今、隣に広臣がいるんだよなあ''なんてぼーっと考えてた。


.


二人並んで、マグカップを抱える。




「良かった、けど…。」


臣「けど何?」




「あたしが言うのは嫌味かもしれないけど、…隆二くんの想いはどうなっちゃうんだろう、って…。」


臣「…うーん。」



.




最後の最後まで、隆二くんは優しい目をしていたなあ、なんて。



誰かが幸せな想いをすれば、知らないところで誰かの想いが死んでいく。



.


あたしは今日、両想いになれたけど。




行き場のなくなった隆二くんの想いは、消えてしまうんだろうか。


.



…どうして皆の想いが、一緒に叶わないの。




.

○*。325→←○*。323



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1224 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1935人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

尼崎の雑草になりたい(プロフ) - イッキ読みしました!笑中2ころから書かれてたなんて、すごいです!臣くんと隆二くんの特徴とか健ちゃんの感じも汲み取っててとても素晴らしい小説でした! (2019年3月23日 1時) (レス) id: 9e0d1bf52d (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 昨日の夜から読み始め今読み終わりました…もう最高っ!何度泣いてしまったか…すごく苦しい場面もありましたがすごく素敵なお話ありがとうございました!! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 73f9f33188 (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - miiさん» ありがとうございました!!一応書き手としている身としては、この上なく嬉しいお言葉…!!(T ^ T)またお会いできる機会がありましたら、よろしくお願いします! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
ちくしょー青春。(プロフ) - さくらさん» 返信がすごく遅くなってしまいました……ありがとうございました!!それどけの感動を与えられたのなら、もう満足です。有難い限りです。ご愛読本当にありがとうございました!! (2016年12月28日 21時) (レス) id: 37b819d85e (このIDを非表示/違反報告)
mii - 凄くやばかったです!もう読んでて満足とゆーか、楽しかったです! (2016年10月19日 19時) (レス) id: 38aaae60ac (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちくしょー青春。 | 作成日時:2015年12月29日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。