契約済み。3

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いつの間にか彼女は、タイツと靴を脱いでいたらしく、素足だった。


生足で砂浜走るとか…反則だろ。←



「ね！見てください！」


隆「ん？」


「夕陽！」


彼女の指差した先を辿ると、そこには地平線上に赤く燃えるような夕陽が浮かんでいた。



そのすぐ下の水面には、潤んだ太陽の如何様が揺れている。



その眩しさに目を細めて、夕焼空を仰げば、視界の端で山肌が茜色に染まってた。



「…綺麗ですね。」



隆「すごくね。」



Aちゃんの興奮もおさまったようで、今は夕陽の美しさに言葉が出ないようだった。



「…今市さん、」


隆「ん？」



「今日は、本当にありがとうございました。久しぶりに、芯から笑った気がします。」



隆「…臣といるときは、笑わないの？」



「…笑いますよ。

だけど…広臣といたら幸せなはずなのに…笑うたびになぜが泣きそうになる。」



隣の彼女に目を向ければ、その横顔が赤く染まっていて。



不覚にも、その横顔が綺麗だと思った。



「もう、いいんです。


恋愛に発展するような関係じゃないことは、契約したときからわかってたことですから。


ただ、有紗さんだなんていう人がいたにもかかわらず、あたしを抱いてくれていたことに、…ちょっと動揺しただけです。」



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