契約済み。3

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得体の知れない食べ物に食らいついて、箸でそれを摘んではせっせかせっせか口へ運ぶ、男二人。




あの時楽屋で身構えていた俺は、一体なんだったのだろう、とさえ思う。…うん。



臣「ほら、なんつうの…噛めば噛むほど味が出るっつーやつでしょ。
ほら！俺の方が表現力あるしぃ！」



健「おまっ、俺の方が近かったわ！」



食べ物をいかに美味しそうに表現するかという謎の描写対決にも決着がつかないまま、とりあえず手だけは動く動く。




臣「ここ、超いい店ー。


なんでもっと早く教えてくれなかったんすか。」





健「なんかなー、広めてまうんが勿体無くてなあー。



…Aと食事する時は、いつもここやねん。」




…来たか。





目の前の皿を見つめたまま言った健二郎くんの言葉に、一瞬空気がぴたりと止む。




俺自身も、箸を握る手が動きを止めて、ゆっくりと手を引っ込めた。



臣「Aちゃん…元気？」



健「んー、…最近は俺も連絡取ってへんねんか。」



俺の質問に対して、特に疑問を抱くことなく答えた健二郎くんに、確信する。



Aちゃん、やっぱり話したんだ、健二郎くんに。



そのことを意識した今、自分の中でますます気まずさが増して、健二郎くんを直視できなくなってしまった。




健「なあ臣、」


臣「…ん？」





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