契約済み。

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神様は不公平だ、なんてセリフ。



少女漫画にしてはありがちだが、つくづくそうだと感じる。




シンガーとしてこの世界に飛び込んで、はや4年。



「この世界で生きていくのは大変だぞ。」

「下積み時代、お前なんかに耐えられるのか」


シンガーになるという夢を打ち明けた途端、猛烈な両親の反対を受けたけど、


それも押し切って、生半可な決心でこの世界に飛び込んだ。


生半可…だなんて、あたしは思わないけど。



でも、今をときめくグループまで発展したお兄ちゃんを見ていると、



脅しすぎでしょ、なんて思ってたのも事実で。



実際自分の目でこの芸能界という世界を見渡してみれば、



たくさんの夢を持った挑戦者が波のように押し寄せては飲み込まれていく、



いわば蟻地獄だった。




この世界は、本当に厳しかったんだ、とつくづく思った。





はあ…、と小さくため息を吐く。




ギラギラのネオン街の、暗い一角。



一見小さな会社の玄関口にも見える目立たない重めの扉を引いて開けた。





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