【番外】織田作之助との出逢い ページ33
それは、Aがまだ10にも満たない時の事だった――――……
沈んでいた意識が浮上し、１人の子供が瞼を震わせながら目を開ける。
ズキリと頭に痛みが走り、手を当てるとぬるりとした感触。
咄嗟に手を見れば、そこには赤い液体―――血が付着していた。
『っ！』
肩をビクつかせて目を見開く。
そして、そろそろと周囲に視線を投げた。
『……………ぁ』
掠れた声が出る。
周囲は瓦礫まみれで、上を見上げれば薄暗く曇った空が見えた。
見上げていた視線を下げ、もう1度瓦礫を見る。
その瓦礫の間から見えたのは、１本の腕と流れ出ている血。
その光景は
『っあ！』
まだ10にも満たない子供にとっては
『あ、あ、あ、あ』
あまりにも、残酷であった――――
『っう、ああああああああああああ！！』
再び意識が浮上する。
目が覚めると、そこは白い天井に白いベッドという真っ白な空間が広がっていた。
視線を漂わせ目にしたのは――――……
『っ！…………ぅあ』
見知らぬ青年がパイプ椅子に腰掛け、うたた寝をしていた。
「ん………………あ？」
ビックリした子供がベッドから飛び退いた際、腕に刺さっていた点滴が引っこ抜け、スタンドが倒れた音で青年は目を覚ました。
「あ、君！目が覚めたんだな」
『……………こ、こは』
安堵した表情を浮かべた青年に、点滴が刺さっていた腕を押さえながら問う。
「ここは病院だ。君の叫び声が聞こえてな」
『さけ、び……？―――――っ！』
崩れ落ちてきた瓦礫。
薄暗く曇った空。
瓦礫の間から見えた１本の腕。
そして――――血。
記憶が駆け巡る。
『あ、あ、あ』
「お、おい！大丈夫か！？」
『ああああああ！！』
「落ち着け！」
青年が子供を抱き締めた。
『っ！』
「大丈夫だ！ここは安全。怖い思いをさせてすまなかった」
とんとんと優しく背を叩き、落ち着かせる。
「本当にすまない」
『な、ぜ…？』
何故彼が謝るのかわからず、首を傾げる。
「それは―――――いや、何でもない」
『……………』
「俺は織田作之助。君は？」
『わ、たしは…………わからない』
「！」
『わたしは、だれ…？』
「(ショックによる記憶喪失か)……なら俺が名前を与えよう。君の名前は、A。Aだ」
『……A』
小さく与えられた名前を呟いた。
「A、俺と暮らそう」
それが織田作之助と5人の子供と出逢いであった。
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朧 - 大好き 治崎廻！ぜひ出してください。 (2018年8月20日 1時) (
レス) id: 64dafab596 (このIDを非表示/違反報告)
周防(プロフ) - 雷光さん» 心にしみる……ありがとうございます！待たせてしまいますが、待っててください (2018年1月6日 23時) (レス) id: 525046536d (このIDを非表示/違反報告)
周防(プロフ) - 一葵さん» お久しぶりです！その内、淡島も登場する予定です。今回は通話のみでしたが、比水流も。爆豪との試合いかがでしたか？ちょっと無理矢理感ありますが……戦闘シーンむずいッスね (2018年1月6日 23時) (レス) id: 525046536d (このIDを非表示/違反報告)
雷光 - 体調早く治して続編書いてください私…待ってるからね (2017年12月23日 21時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
一葵(プロフ) - お久しぶりです。伏見と宗形さん出てきましたー(n‘∀‘)η更に爆豪君との試合やばいです( ﾟ∀ﾟ):∵ｸﾞﾊｯ!!これからも頑張ってください (2017年12月3日 21時) (レス) id: 456ed5eb5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：周防 | 作成日時：2017年8月25日 16時
