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理子ちゃん。 ページ22

中学生くらいの女の子だった。

「あら、はじめまして。」
「ふむ、敵ではないようじゃな。」
「高専に敵は入ってこられないよ理子ちゃん。」

女の子の名前は、理子ちゃんというらしい。

「はじめまして、理子ちゃん。私、花咲Aというの。よろしくね。」
「貴様もここの生徒なのか?」
「いいえ、私は違うの。だけど、」

がらっと少し荒々しく教室のドアが開いた。

「あー、だる。せんせーいないんだけど。」

入ってきたのは悟さんだった。

どかっと近くの椅子に座り込んで、私にちらりと視線をよこす。

「悟、報告書は?」
「えー、書かなくてもいいじゃんめんどくせぇ」
「悟。」

悟さんと傑さんの言い争いが始まりそうになったので、その空気を断ち切るように声を上げる。

「傑さん。例のものが…」
「本当にできたのかい?」

傑さんが心底驚いたというふうに、目を見開いた。

こくりと頷き、カレーの入ったタッパーを取り出す。

「このカレー、食べてみてください。」

大きなタッパーとは別に用意した、味見用の小さいタッパーと、スプーンを差し出す。

小さいタッパーの中には、カレーが少量入っている。

傑さんがぱかりと蓋を開け、戸惑いながらもカレーを口に入れた。

「おい、しい…」
「ふふ、でしょう?」
「ほんとにこれ、あれが入っているのかい?」
「入っていますよ。傑さんが今食べた肉団子の中に入ってます。」
「…あ、ほんとだね。今少しだけあの味がした。」

やっぱり、完全には消せなかったわね。

「だけど、すごく美味しい。呪霊の味もほとんどしない。…Aちゃん、ありがとう。」
「いえいえ、お役に立てて何よりです。」
「美味しい。…本当に、ありがとう。」

ふっと傑さんの口元が緩んだ。

傑さんのストレスを少しでも減らせてよかった。

「おい五条、なに不機嫌になってんだ。」
「うっせー。なってねぇよ」
「なんじゃ、もしやAとやらのことが」
「行くぞ」
「無礼者ーー!!はなせー!!」

悟さんがぶすっとした顔になったかと思うと、理子ちゃんが悟さんにずるずると引きずられていってしまった。

硝子ちゃんと傑さんはゲラゲラ笑っている。

「理子ちゃんは、どうして高専に…?」
「あの子は星漿体の子なんだ。狙ってくる輩が多いから、ちょっとここで保護してるんだよ。」
「星漿体というと…天元様の?」
「そうだよ。」







新作どうぞ〜

幼なじみと私と五条

ずるい。→←調理法の完成。



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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- まさか…… (2022年8月1日 23時) (レス) @page33 id: eaa9446555 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 甘味!さん» 甘味!さん、いつもコメントありがとうございます。実はですね、あの人夏油さんじゃないんですよ…一個下の黒髪のあの人です。ななみんと同期の…更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2021年7月8日 19時) (レス) id: f9d6daf8b8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - プスメラウィッチさん» ごじょるオチです。ごじょるにしかおちません。 (2021年7月8日 1時) (レス) id: f9d6daf8b8 (このIDを非表示/違反報告)
甘味! - はい!夏油さんだと思いたいですっ(更新楽しみにしてます! (2021年7月7日 20時) (レス) id: f8e0e8f1cf (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月1日 4時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月20日 0時

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