喧嘩。 ページ16
タクシーを降りて校内へ入る。
どこに行けば…とりあえず、教室ね。
前回一度だけ辿った道のりを一生懸命思い出す。
右、左、真っ直ぐ、と思い出し、なんとか悟さん達の教室へ辿り着くことができた。
人が何やら大きな声で話している声がする。
悟さんか誰かだろうか。
こんこんこん、とドアをノックしてがらりと開ける。
「表へ行こうか悟」
「あ?1人で行ってこいよ傑ちゃん」
教室で目にしたのは、私に背を向ける傑さんと、その背後に立っている呪霊。
悟さんが術式を発動させようとしている姿。
硝子ちゃんの姿はない。
な、なんで高専の校内に呪霊が?
あまりの驚きに身が固まる。
次の瞬間、2人が私に気付いたようで、呪霊は一瞬のうちに掻き消え、悟さんの発動しかけていた術式も一気に霧散した。
え、何事なの?
「やあ、A。随分と早かったね。」
傑さんが誤魔化すようにはははと笑う。
「あの、さっきの呪霊は…?」
「…見えたかい?」
「はい。しっかり見えました。」
「じゃあしょうがないね。あれは私の術式でね。呪霊操術というんだ。言葉通り呪霊を取り込んで、操る術式で、もちろん操る呪霊は襲ってきたりなんかしないよ。」
「す、すごい…」
「はは、そう言ってもらえて何よりだよ。」
「おい傑、1人でペラペラ喋ってんじゃねぇよ。」
悟さんが何故かものすごく不機嫌になってしまった。
柳眉がぐっと寄っている。
反対に、傑さんはケラケラ笑っているけれど。
それはそうと、今、傑さんの話を聞いていてふと思ったことがある。
傑さん、どうやって呪霊を取り込んでいるのかしら。
一旦気になりはじめたら、止めることはできなかった。
「傑さん、どうやって呪霊を取り込んでいらっしゃるんです?」
「ああ、飲み込むんだ。」
飲み込む?!
「の、飲み込むというと…呪霊をですか?」
「そうだよ。」
「…味は…?」
「クソまずいよ。」
それはそうだろう。
あんな不気味な形をしている物体が美味しいわけがない。
彼は明るく言っているけど、彼が言う以上に、想像を絶するほどまずいにきまってる。
任務がある度に呪霊を飲み込んでいるのだとしたら、ほぼ毎日ということになる。
毎日毎日まずいものを食べていては気が触れそうになるだろう。
「傑さん。その取り込む前の呪霊は、私にも扱えますか?」
「え、扱えるかって…たぶん、できると思うけど。何するつもりだい?」
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桜 - まさか…… (2022年8月1日 23時) (レス) @page33 id: eaa9446555 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 甘味!さん» 甘味!さん、いつもコメントありがとうございます。実はですね、あの人夏油さんじゃないんですよ…一個下の黒髪のあの人です。ななみんと同期の…更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2021年7月8日 19時) (レス) id: f9d6daf8b8 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - プスメラウィッチさん» ごじょるオチです。ごじょるにしかおちません。 (2021年7月8日 1時) (レス) id: f9d6daf8b8 (このIDを非表示/違反報告)
甘味! - はい!夏油さんだと思いたいですっ(更新楽しみにしてます! (2021年7月7日 20時) (レス) id: f8e0e8f1cf (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月1日 4時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪 | 作成日時:2021年6月20日 0時