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心配? ページ14

「ただいま」

鍵を開けて中にはいると、見覚えのある靴が一足。

あら?悟さん?

悟さんがこの時間に帰ってくるのは非常に珍しいことだった。

月に一回帰ってくるとしても、帰ってくる時間は大抵私がお風呂に入っているときか、ご飯を食べた後のこと。

「悟さん?」

呼びかけた瞬間、リビングの方からドタバタと走ってくる足音が聞こえた。

「おいどこいってたんだよ!」
「え、あ、ご、めんなさい…」

悟さんが私の目の前に来てそう叫ぶものだから、びっくりしてしまった。

「…別に。それよりも、なんでこんなに遅かったんだよ。」
「ご、ごめんなさい。実は、ある女性とお会いして…」

車に轢かれそうになったこと、伏黒さんと意気投合してしまったことを話すと、悟さんは眉を潜めた。

「あ?なんだその車。」
「飲酒運転でもしてたんじゃないかと…」
「お前は怪我ないのかよ」
「私は大丈夫です。」
「怪我してんじゃん!」

悟さんにいわれて、やっと気づいた。

腕に擦り傷ができている。

「これくらい大丈夫ですよ。」
「大丈夫じゃない。こっちこい。」

ぐいぐい手を引っ張られて、リビングのソファへ座らされる。

手を握ってもらえるのなんて、何年ぶり?

何年も触れ合っていなかった手が、触れた。

ああ、男の子の手。

ちょっとごつごつしてるけど、しなやかさもある手。短く切りそろえられた爪。長い指。

悟さんは手だけで私の心をこんなにもときめかせる。

ずるい。ずるい人。でも、大好き。

きゅうっと心が締め付けられる。

じっとソファの上で待っていたら、悟さんが絆創膏と消毒液で手当てしてくれた。

「あの、悟さん、ありがとうございます」
「…伏黒っていったか?」
「あ、はい。伏黒さんです。小さい男の子と女の子がいるそうで…」
「旦那は?」
「あ、旦那さんは伏黒さんの家に婿入りされたそうですよ。」
「…うわ、まじか。」

悟さんが頭を抱えたので、何事かと悟さんの顔を覗き込む。

「だ、だめでした?」
「バッカ!!近えよ!!」
「あ、ごめんなさい」

私の横に座っていた悟さんが手で口元を隠しながら後ろに飛び退る。

「と、とにかく…お前が…でよかったよ」

最後の方がもごもごとよく聞こえなかったので、今なんておっしゃいました?と聞いたけれど、これもなんでもねぇよ!と言われてしまった。

悟さんが不意に立ち上がり、玄関へ歩いていった。

悟さん、任務かしら?それにしても、どうしてこんな時間に…

電話。→←女性は。



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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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- まさか…… (2022年8月1日 23時) (レス) @page33 id: eaa9446555 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 甘味!さん» 甘味!さん、いつもコメントありがとうございます。実はですね、あの人夏油さんじゃないんですよ…一個下の黒髪のあの人です。ななみんと同期の…更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2021年7月8日 19時) (レス) id: f9d6daf8b8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - プスメラウィッチさん» ごじょるオチです。ごじょるにしかおちません。 (2021年7月8日 1時) (レス) id: f9d6daf8b8 (このIDを非表示/違反報告)
甘味! - はい!夏油さんだと思いたいですっ(更新楽しみにしてます! (2021年7月7日 20時) (レス) id: f8e0e8f1cf (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年7月1日 4時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月20日 0時

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