総統専用の寝具屋(仮) ３

番外編　復讐鬼の夢 ページ5

［お母さん！みてみて―、お花！］
まぁ、綺麗に咲いたわね…志信が頑張ったからかしら。
［もうっ！お兄ちゃんも志都音も居るよ！］
あらら、お母さんったら…。
［………］
…志信？どうしたの？
［雑草が綺麗に咲いた所ですぐ壊される］
えっ？
［脆弱な植物が人間に、動物に踏まれ枯れるのと同じ］
［立場が変化しただけで所詮は同じ存在なのだ］
［お前達は目を背けているのだ、直ぐ傍に有る終焉に］
［日々皆等しく弱く醜く脆く汚く争って血を流す］
［平和など、安寧などが有る訳がない］
［それはお前が良く知っているだろう？］

あ…あぁ…っ…！

「ああああああああああっっっっ！！！」
勢い良く起き上がった私は手を見て、真正面に置いた
鏡に反射する自分を見つめて段々と意識が纏まる。
…夢…？
そう、夢…よね、はぁ…。
妙にべた付いた汗を拭って溜めた息を吐いた。
「前兆かしら…それにしても嫌な夢」
サイドテーブルに置いた写真を手元に持ってくる。
庭の花壇を背景に家族が眩しく笑っている。
五人が揃った、最後の写真…。
…志信…志都音…優也…優治…。
記憶と今さっき見た夢を思い出して唇を噛む。
「許さない…絶対に、絶対に…っ！」


　 ころしてやる

番外編　弐　　　　→←第十二章・世間話してるだけの他愛ない場面です

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