第十四章・この因縁に終結を 弐 ページ24
【地下教会】
ペレントの報告通り、誰も何も居ない。
簡素な入り口も祭壇に向かう無駄に長い廊下にも罠すら無い。
今もコツコツと私達が歩く音がその廊下に鳴り響くだけだ。
最初身構えていた私達もこれには拍子抜けした。
「…神代さん、本当に此処に居るんですか？」
「居るから彼女も直々に来ているのでしょう…ですが、
少し疑ってしまう気持ちも分からなくは有りませんわ」
「疑うのは勝手にしなさいよ、にしたって長いわね」
「長くとも短くとも死ぬのには変わりないの。ふふふっ、
今どんな格好をしてどんな面しているのかしら」
『…お喋りはもう終わり、見えてきた』
その一言で四人の周りの空気がかなり重苦しい物になった。
まだ暴れるなよ、中に入ってからにしてくれ…一応地上には
一般人が居るんだから漏れた殺気に触れたら失神するぞ。
まあ気持ちは分からなくは無いけどな。
白銀の装飾が施された重厚な扉を思いっ切り蹴破り土足で
遠慮なく踏み込むとナイフが飛んできた。
人間にしては速いソレもぶっ壊れ性能搭載の私には遅く、
素手で取って床に叩き捨てる。
『それが最初で最後の反撃ですか、[孫に向かっての]』
祭壇の前に居る老人は座った状態で振り向きもせず喋る。
「…愚息はどうした」
『その前に言う事は無いのか？』
「…言った所で状況は変わるまい」
「命乞いの態度次第では楽に送って差し上げますわよ？」
『その前に。[怪物変化病]の元は何処だ』
私の言葉に四人が驚いた様に目を見開く。
老人はやはり振り向かずに飾られている像を指差す。
そして独白の様に喋り出した。
「アレの誘惑に負けた、儂は家族も心も捨ててしまった…」
一方私は無視してカタリと像を持って中身を取り出す。
女神像の中身は禍々しく心臓の様に脈打つ小瓶が一個。
これがあの忌々しいウイルスの元か…。
「…それはお前でも破壊する事は出来ない…どうするつもりだ」
「今から死ぬ貴方に関係有りますか？」
老人の呟きに嚙み付くかの様に紫蜘蛛が言う。
破壊するつもりなんてない、未来永劫私が一生保管するだけだ。
でもその事をそのままコイツには言わない、ただ。
『責任は取ってやる、アンタの代りに』
「…そうか」
その一言を最期に血飛沫と肉が裂ける音が聞こえた。
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徒花(腐女子)(プロフ) - ヒヤシンスさん» 有難う御座います…(´；ω；`)…人体発火！？ (2020年11月30日 21時) (
レス) id: 77f9702d89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヤシンス - ヤバイ、良い作品すぎて、人体自然発火起こしそう、、、めちゃめちゃ面白いです！！！ (2020年11月30日 21時) (レス) id: 30c8fc4719 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：徒花(腐女子) | 作成日時：2020年5月7日 8時
