第十三章・今更 ページ17
…誰、と一瞬思った、が。
ある記憶が脳裏を過って、私は硬直した。
王馬が少し顔を歪めて私に聞いてくる。
王「え、誰そのオッサン…」
答えない私に焦ったソイツが肩を揺すって聞いてくる。
「な、なぁ闇罹、俺の事覚えてるよな?父さんだぞ?
母さんから聞いて無いのか?」
王「はぁ!?ちょ、オッサン離しなよ一旦!ん?」
間に入った王馬を押し退けて前に出る。
そしてそのまま私は…ソイツを殴った。
「ぼべっ!!?」
王「え?…ちょ、神代ちゃん!?」
数メートル先に跳んだそれの胸倉を掴んで更に殴る。
この時の私にはもう何も聞こえてなかった。
ただ言いようのない嫌悪か憎悪か何かが身体を動かしていた。
-------------------------------------------
【説明】
母さん…神代笑美里はとある大企業の一人娘で、
名前の通り笑顔が美しい、優しい人だった。
それにもうすぐ成人する母さんには恋人がいた。
元々は見合い結婚だったんだがお互い愛し合っていた。
だからか母さんは死ぬ前まで父親の話や写真を私に見せ話した。
別人かと思ってしまう程の変わりように驚いてしまったが。
好青年で理知的な顔は見る影もなく醜く衰えて。
健康的な身体付きはだらしなく肥え切り、実年齢より老化している。
そして何より…ここは元の世界とは違うのだ。
[施設]なら兎も角私の居場所は厳重に隠蔽しているのだ。
どうしてこの男が私の居る世界に入り込めたのかは後々、
調べさせてもらうが…まぁ結論から申し上げますと。
…今、私の目の前にのこのこ顔出しやがったコイツは、
母さんの[元]恋人で私の父親って事だ。
冷静に、そう自分で確認して、そして殴ったのだ。
あの野郎の名前呼びと父さん呼びに拍車が掛かったのも理由だ。
『今更…今更父親ぶるんじゃねぇクソ野郎がッっっ!!!』
ただただそれだけしか実の父に言う事が無かった。
第十三章・冷静と動揺→←第十三章・どうして貴方が此処に居るんだ
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
徒花(腐女子)(プロフ) - ヒヤシンスさん» 有難う御座います…(´;ω;`)…人体発火!? (2020年11月30日 21時) (レス) id: 77f9702d89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヤシンス - ヤバイ、良い作品すぎて、人体自然発火起こしそう、、、めちゃめちゃ面白いです!!! (2020年11月30日 21時) (レス) id: 30c8fc4719 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:徒花(腐女子) | 作成日時:2020年5月7日 8時