第56話 ページ9
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「やぁやぁ爆豪クン」
「んだ鏡女」
ボクは廊下でやっっと見つけた爆豪に声をかける。
「よくもボクだけ売ってくれたなぁこの野郎。
お前嬉々とした脅威スマイルボクに向けてたじゃねぇかこの記憶は幻影かなぁ?えぇ?」
ボクは引きつった笑みを爆豪に向ける。
「お前から提案したろーが」
「いや今思えばなぁ!
"言え"とは言ってないんだよ"言わない?"って誘っただけなんだよ!
相澤先生に聞かれた時嘘ついただろてめぇ!!」
「お前が提案してきたって事は全ててめぇからはじまっとんだ!!
つーか俺ァ鏡女が言ってこなくても選手宣誓で言う事なんざ変わんねぇよ!!」
「爆豪おまえ今になってその屁理屈が…」
「次のステージで当たったらよ」
ボクが言いかけている時、爆豪がそれを遮るように声をかぶせてきた。
「なに?話題逸らさないで貰えますー?」
「絶対ねじ伏せるかんな」
「…は?宣戦布告?」
いやてかなんでボクに宣戦布告すんの?
「緑谷が宣戦布告されてたから自分もしたくなったってわけ?」
「ちっげぇわ!!
てめぇは入試1位。俺は入試2位。
完璧な1位じゃねぇんだよ。
俺は最後のギミックをぶっ飛ばしちゃいねぇ。
でもてめぇはぶっ飛ばした。そう聞いた。
この体育祭でお前を越えられりゃ俺は完璧な1位だ」
「なるほど…よーわからんけど」
「だけどなァ!」
爆豪はさっきよりも大きい声を出す。
ビックリしちゃうからやめて欲しい!!
「てめぇはUSJの時の怪我が完全に治りきってる訳じゃねぇ。いわゆるハンデありってやつだ。
この体育祭でハンデありのてめぇに勝てなかったら尚更かなわないっつー事になっちまう」
まあ確かにボクは今完全な実力ではない。
完治もしていない。
今回は割と無理矢理ボクが出してもらっている。
「怪我人だからって俺は手加減なんざしねぇからな」
「別に構わないよ。
ボクだって完治してないから手加減してください〜なんてつもりで来てないから」
「……完膚なきまでにねじ伏せる」
「やってみな」
体育祭。
まさかボクが宣戦布告受けるとは思わなかったけども。
まーこれも青春って事で気張っていきましょーや。
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作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
