第55話 ページ8
相澤side
「そんな暗くなるなよイレイザー。
姿見だってお前の過去なんかなーんにも知らない。
わざとじゃねぇんだからよ」
「分かってる。わかってるが…
すまん、大人げなかった。大人として流すべきだった」
俺の過去を知っている上でああ言ってくるならまだ俺も怒れた。
でも姿見は何も知らない、悪気もない。
だからこそ、苦しい。
それにアイツは似ているからか、だからこそ更に辛い。
「まあ…確かに姿見が来た時、なんか懐かしい感じはしたけどな」
「え?」
俺は下がっていた頭を上げた。
「アイツ、1年の林間合宿の時なっかなか起きなくってよぉ、もう教師も仲良い俺らも総動員で起こしてたよなー。
もう脈とか測りだしてさ」
「……ふっ、覚えてる。
生きてるか、なんて確認しだしてな。
先生達本気で焦ってたよ」
「でアイツが起きた時先生達マジで喜んじゃってなー」
「あの時の寝起きだったけど先生の喜び具合みて俺達に何かあったのか、って焦って聞いてきたもんな」
10数年前の記憶なのに、鮮明に思い出せる。
どんな時でも場を明るくして…
どんな時でもアホな問題児。
今でも思い出すだけで笑顔にしてくれる。
こんなにも場を和ませてくれる。
お前は、ヒーローに向いてるよ。本当に。
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貴方side
ボクは朝早くからおばあちゃんが作ってくれた弁当を片手に食堂へ行く。
「おっ、初っ端からかました問題児様々じゃん」
「も〜、ボクが問題児な訳ないだろ♡」
「お前の語尾にハートついてるとなんか怖ぇな…」
「あ?」
「なんでもないっす」
上鳴、峰田、切島、瀬呂、砂藤、常闇の6人組に会った。
その6人組の隣に座って本題を話し出す。
「ねーねー、ところで爆豪勝己クンは?」
「なぜクン付け?」
「聞くな。闇の香りがする…」
闇の香りとは。という疑問はさておき、再度聞く。
「で?どこ?」
「それが分かんねぇんだよなぁ」
「そ。じゃあ自力で探すわ」
ボクは弁当を口の中にかきこみ、席を立った。
「アイツ見つけたらぶっ潰す」
「な、なぜ…」
「ぶっ潰す」
「切島。聞かん方がええ」
何故か関西弁になっている峰田は放っておき、ボクは爆豪探索に取り掛かった。
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作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
