第95話_基礎学_ ページ48
「おーい姿見ー?突然ボーッとしだしてどうした」
ボクは切島に声を掛けられて我に返る。
まあ、またいつかホークス本人に会った時に質問攻めにするとしよう。
「ボク職場体験行って更に強くなっちゃったなーって思ってただけ〜」
「お前は1週間No.3の元で過ごしても相変わらずだな…」
飯田の「さぁそろそろ始業だ!全員席につきたまえ!」という言葉で席に着いたのだった。
·
＿ヒーロー基礎学＿
「ハイ私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね。
今回のヒーロー基礎学だが職場体験直後ってことで遊びの要素を含めた救助訓練レースを行うことにする!」
どんどんとあいさつが雑になってきてんな…
ボクらがいるのは運動場γ。
複雑に入り組んだ迷路のような密集工業地帯だ。
5人4組に分かれて1組ずつ訓練を行う。1組だけ6人になる。
オールマイトがどこかで救難信号を出したら街はずれから一斉スタート。誰が一番にオールマイトを助けに行けるかの競走らしい。
ボクは1組目。クラスの機動力が長けてる奴が集まっているグループだ。
瀬呂、三奈、緑谷、飯田、尾白、そしてボクがメンバー。
速すぎる男の元で職場体験してきたボクとしては負ける訳には行かないんだよねー。
常闇にもさっき「俺達は負ける訳にはいかんな…」と言われたばかりだ。
てか負けたらなんらかの通路でホークスはその事実を手に入れるから何か言われる気がする…
幸いにもボクの個性を使った速さは常闇しか知らないはず。
という事は少なくともこのメンバーには速いと思われてない。
まあこの場合鏡の反射でダイナミックに行った方がいいか。
「それではSTART!」
「ステンレス5ミリ!!!」
ボクはスタートの合図と共に物凄いスピードで自分を吹っ飛ばしたのだった。
·
そしてゴールが目の前に来た頃。
「やっばいまたこれだよ!!!」
どう止まろうとしても止まれないのだ。
絶対的スピードは持ってるけど止まれないのが惜しいとこなんだよなぁ…!
「姿見少女!?止まって!?」
「止まれなぁぁい!!」
ドゴォォン!!!
皆さんご察しの通り、頭からゴールに突っ込んだのでした。
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作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
