第78話 ページ31
「おい、姿見」
「おはようございます相澤先生。
今日もボクはヒーロー目指して頑張ります」
「今は夕方だ」
「うっす」
え?なんでバレたの?
みんなにボク腹痛でトイレって言ったよね!?
「ホームルームを差し置いて職場体験の交渉に行ったのは教師やっててお前が初めてだよ。
そもそも自分で交渉にいったやつも初めてだ。
という事で反省文3枚」
「うい…」
「プラス廊下の雑巾がけ３周」
……ん?ボクの耳がおかしいのか?
「ちょっと待ってください相澤先生。あなたは正気ですか?」
「俺はいつでも正気だ」
「あの馬鹿みたいにくっそ長い廊下を3週…?」
「筋肉に効くぞ。教室ドッヂよりいい運動だ」
「いやだぁ…いやだぁぁ!!」
ボクは相澤先生にズルズルと引きづられていく。
こんな惨めな姿を晒すつもりじゃなかったんだけど!!
「お忙しいのに申し訳ありません。
このバカが失礼しました」
ねぇホークスからの印象悪くなるからまって!?
職場体験受け入れて貰えなくなる!!!
姿見が引きづられていった時、
「…似とーなぁ…あん人に」
と呟いて古びた絆創膏を見つめている事は誰も知らない。
·
「お前せっかく今日は何もやらかさなかったのに梅雨の中で1番やらかしたな」
「いやだってNO.3の職場体験とか行ってみたいし…」
えー、ただいま雄英の校長室にて怒られております姿見です。
「てっ、ていうか!なんで分かったんですか…!」
「麗日達がなかなかトイレから出てこないお前を心配して見に行ったが誰も居なくて俺に報告してきた」
「君が朝と昼休みにパソコン室に入り浸ってたって聞いたから復歴を見て見たらホークスの今日の東京イベントが調べられていたからね」
と、校長が言う。
くっそ…復歴は消しとくんだった…。
「それとね。ホークス事務所、君を受けいれてくれるみたいだよ」
……へっ!?
「マジですか!?」
「"ここで受け入れなかったら今度は福岡まで来そうだし"ってね」
「おおお!よくわかってらっしゃる!!」
「福岡まで追いかけるつもりだったのか…」
「詳細は家に送る、だそうだけど…
住所知ってるのかい?」
「あ、帰り際に本名、電話番号、住所の書いてあるメモ用紙投げといたので」
その後校長に闇のある満面の笑みで心に語られてきたのだった。
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作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
