第74話 ページ27
「爆発さん太郎にしろよ」
「バクダン君って愛嬌あるし良くない?」
と、可愛いヒーロー名を提案してあげる。
「爆弾って入ってる時点で愛嬌もクソもねぇだろ」
「テメェら頭つぶすぞ!!!」
おーおー。今日も大型犬の如く吠えてるねぇ。
「ハイッ!次ボク行きます!」
ボクは堂々と教卓に立つ。
「ボクのヒーロー名は"ターミラ"です!!」
ドヤ顔で言い放ってみれば、みんなポカーンっとした表情でこちらを見る。
「なんだかオシャレだけど…それまたどうして?」
「倍返しを英語に訳すとDouble "turn"。
鏡を英語に訳すと "mirror"。
ターンミラー…ターミラー…ターミラ!
みたいな。
まあそこまで理由はありません!」
「理由はないのね!!清々しくていいわ!
まあ言いやすいしOKよ!」
「やったぁバクダン君より早く決まった〜」
その後また爆豪が吠えたのは言うまでもない。
そして"爆殺卿"でヒーロー名を提出して却下となった事も言うまでもないだろう。
·
「全員のヒーロー名が決まったところで話を職場体験に戻す」
期間は１週間。
肝心の職場は指名のあった人は個別にリストを渡され、その中から自分で選ぶらしい。
それぞれ活動地域や得意なジャンルが異なっていて、対ヴィラン、事故・災害などの人命救助などでわかれているとのこと。
ボクは配られた用紙を見てみる。
ボクはどちらかというと戦闘系がいいんだよなぁ…
ただボクの性に合うってだけなんだけどさ。
まあしばらく考えよ。
·
相澤side
その日の放課後、俺は姿見が拾ったネームプレートを返し向かっていた。
ネームプレートに書かれた"木崎"という名前。
この名前、会社の住所、姿見から聞いた会った時の反応からして絶対に反野を引き取っていたあの木崎さんだ。
今の世の中個性を使えばすぐだ。
あの事件からもう一度建て直し、普通に営業しているらしい。
ここら辺の景色はあまりあの頃と変わっていなくて懐かしい。
だが、変わっていない分鮮明にあの頃の景色と一致する。
あの頃この道で隣を歩いていたあいつ。
誰も居ない自分の隣に埋めようのない空白感を感じる。
どことなく痛む胸を無視し、俺はその会社のスタッフに大まかな事情を説明して入れてもらった。
「はい、ただいま参りました。木崎です」
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作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
