第50話_第1種目_ ページ3
「スタート!!!」
その合図でせま〜〜い門からみんな一斉に飛び出す。
まあA組はみんな前半組となってます。
さっすがヒーロー科。
てかこの人数でこの門はあたおかでしょ。
ボクのちょっと前に轟が地面に手をつける。
まあそうきますよね。
ボクはコースの端に寄り、鏡を出す。
「ステンレス3ミリ」
轟が氷を出した瞬間ボクは鏡で大きな氷壁を全て自分の前から避けたように跳ね返す。
鏡を退けた頃にはみんなカッチコチになっていた。
「ひゃ〜!寒い寒い」
ボクはそんな事を口ずさみながら先へと進む。
ガッターン!!
「ん?」
前の方で聞き覚えのある音が聞こえる。
もしかして入試の時の?
いやでもなー、さすがに体育祭であの巨大仮想敵出してこないよなー。
金かかるし。てか他の科の人とか不利になっちゃうし…
とか考える必要はなかったらしい。
"その"仮想敵が今目の前に何体もいるのだ。
「いやあ…プルスウルトラって感じ〜」
「いや…お前そんな事言ってる場合じゃねぇよぉ…」
その言葉に振り向くと、ボロボロになっている峰田を見つけた。
「お前どしたん。見るからにボッコボコだけど」
「あの仮想敵にぶっ飛ばされたんだよ!!!」
「あ、ドンマイ」
そう言ってからボクは轟が仮想敵を凍らせたのを確認して飛び出る。
轟が凍らせた仮想敵は体制が不安定だったから急いで行かなきゃ倒れてきそう。
それはやべえ早く逃げよ。
そして奥にいる仮想敵×2を目掛けて個性を発動させた。
「ステンレス5ミリ」
すると気持ちよく遠く彼方へ吹っ飛んで行った。
「ホームラーン!!」
ボクがそう言うと他の科の人達の声が聞こえた。
「ヒーロー科入試1位なんだってあの子!」
「煽ってた…」
「あーあ、選手宣誓の」
「んじゃお先に〜」
と言い放ってボクは先へと進む。
次のステージは所々に足場があるが、落ちたら即終了の綱渡りステージ。
うーん、困ったなぁ。
鏡の反射で飛んだら着地点が不安定だから絶対落ちるし…
「よ〜っし。一か八かだね。
みんな、死んだらよろしく」
「いや死なんどいて!?」
と隣のお茶子が目をがんびらいてツッコミを入れてきた。
怖い怖い。
まあこれは…うん…もう…
勢いで行くしかないよな。
ボクは心にそう決め、前を見すえる。
そして、綱の上を思い切り走った。
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作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
