第61話 ページ14
ボクの中で、何かがブッツーンと切れた。
「はーっ、何様だし。プロヒーロー様ってか?」
周りの視線がぶっ刺さっているがこの際どうだっていい。
相澤先生、怒ろうが好きにしてください。
ボクはここで口を出せなきゃヒーローやってけない!!
「高校1年生の現時点での使える使えないを査定しに来たわけ?うける!まだ入学したばっかなんすけど
普段ヒーローの授業受けてない普通科の心操がここまで緑谷と戦いきった!!
そこを見るべきでしょ、プロヒーローならさあ」
飯田が不安そ〜〜な目で声をかけてくる。
「ちょ、姿見くん、一旦深呼吸を…」
「なにか言いたい事あったらボクのとこまで来てくださーい
ゆっくりお話してあげますよ
そんじゃ、ボクとお喋りしたい人手ーあげてー!」
シーーーーンｯｯ!と会場は静まり返る。
「だそうです先生!どうぞ進めてくださいな」
《お、おう!!そんじゃあ進めるぜぇ!?》
マイク先生によって体育祭は進んでいく。
「ええと…姿見さん、」
「ちょっとボク行ってくるわ」
「ハイ!!イッテラッシャイマセ!!」
そんな上鳴の言葉を背中に受け、自席を立った。
·
うーん、心操の前に出にくくなっちまった。
いやだってなんつって出ればいい訳よコレ。
「何してんの?」
「ばっっっ!!!
…って心操か」
そっちからくるとは予想外すぎるんだが。
「いや、普通にごめん
出しゃばったって言うか、心操の舞台なのにさ
まあ言った事に後悔はないけど」
「後悔はないのな」
と心操は呆れたような表情で苦笑う。
「俺、お前にいっつも助けられてたよな」
「…へ?」
「小学校の時、6年間ずっと一緒だったけどお前にいつも助けられてた
個性でなんか言われてもお前が割り込んでハッキリ言ってくれてさ
他校の体格いい男とも外で大喧嘩して取っ組み合いの喧嘩になってお前がボコしたって事件あったろ
あれ、俺の為だってちゃんと分かってるから」
「え?なんで知ってんの」
「そいつが謝りに来た時に教えて貰った
姿見に言われたんだと。謝んなかったらもっかい殴るって」
「あー…そういや言った気がしなくもない」
ボクはカラカラと笑う。
「…だからさ、もう十分俺は助けて貰ってるから
なんかあったら言えよ。今度は俺の番」
「あーら心操クン優し〜」
「ホラ、お前も備えろよ」
ボクの幼馴染は、なんだかんだで優しいのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ある x他1人 | 作成日時：2020年2月27日 21時
