episode.59 ページ12
少し冷える秋の夕方。
神「……」
重「…ん〜、ちょっと寒くなってきたな」
神「っあ、おん！
もう1枚羽織ってくればよかったな…」
口数が少ない智洋を横目で見つつ、何度目か分からない胸の痛みに気づかないフリをする大毅。
重「お、もう着いたで、
莉子〜〜！おるー？！」
神「ちょ、しげ、声でかいって…」
智洋が大毅を諌めるやいなや、七ツ屋からひょっこり顔を出したのは7人の幼馴染。
その瞬間、智洋がラッピングの袋をキュッと握りしめたのも、大毅は気づかぬフリをする。
莉「なんやの〜、大毅！声デカすぎやわ！
…あら、ともくんもおったん♡」
重「俺との扱いの差、えぐない？」
莉「日頃の行いやろ
で、2人揃ってどしたん？」
大毅は智洋の方を見ずに、待つ。
智洋は一度ゴクリと唾を飲み、「あ、あんな！」と言いながら、俯き加減だった顔をあげた。
神「部活でマカロン、作ったんやけど
たくさん作ったから、莉子ちゃんにも…
あっ、ごめん、先にみんなにあげてもうて、
残ったチョコ味なんやけど…もしよか、」
莉「えっ？！ほんまに？！やだあ！
めっちゃうれしいわ！！
流星が自慢してくるから、羨ましかってん
私もともくんのお菓子食べたいなーて」
智洋が言い終わる前に食い気味に反応する莉子。
大毅は「神ちゃんの言葉全部聞けや」と小さくボヤくが、少し頬を赤らめ、はにかみながらマカロンを渡す智洋を見て、それ以上はグッと堪える。
「ありがとおな」と言った後、手を振り「バイバーイ！！」と言う莉子に手を振り返し、大毅と智洋は帰路につく。
重「莉子の声、人のこと言えんくらいデカいわ」
神「ふふっ、せやな」
重「…喜んでくれてよかったな」
神「おん、しげ、一緒に来てくれてありがと」
重「俺と、神ちゃんの仲やん！
…あ、でも、じゃあお礼に1つ…」
大毅は智洋の右手を、自身の左手でぎゅっと握る。
神「なにーー、っぇ、…ちょっとぉー…
もう中学生なんに……」
重「えぇやんかぁ！友情の手繋ぎ！仲良しの証！
なんや、昔を思い出すなあ」
神「いつの話やねん、もうー…」
口を尖らせつつも、されるがままの智洋。
大毅は思う。
��今はまだ、あと少し、このままーー��
しっかりと繋がれた2つの影は、可愛らしい笑い声を響かせがら、みんなの待つ暖かい場所へ帰っていく。
続く (更新停止中)
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ぽぽ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさん、コメントありがとうございます◯*｡初めてコメントいただき感無量です…！これから少しずつ気持ちの変化も書きたいな、と思っているので気長に待っていただけると嬉しいです♪なにせ、のぞむくんまだ小学生なので…笑 (2021年10月2日 13時) (
レス) id: 37c0aa486b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 青桃の気配を感じ取ってニヤニヤしてしまいました☺️しかしお互いに自覚がなさそうなのでここから先どうなるのかソワソワドキドキです。更新楽しみにしています。 (2021年10月1日 20時) (レス) id: 127582e3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2020年12月27日 16時
