episode.49 ページ2
『桐山くん！これ…』
照「んー？どれどれ」
『組み立てが上手くいかんくて…』
照「あー、アジャスター付けとこか」
「外だと地面ボコボコやろうしな」と笑顔で答え、スッと女子生徒から木材を受け取る。
同級生だろう女子生徒の頬が、ほのかに赤く染まったことには気づいていないようだが。
照史が所属する虹彩高校の運営委員会とは、文化祭や体育祭、球技大会など、イベントがある際に運営を担う委員会だ。
今は文化祭の準備、文化祭全体のチラシ作成などは勿論、エントランスを彩る装飾も、運営委員会が請け負っている。
手先が器用で、最近DIYにも興味を持ち始めた照史は、エントランスの装飾に苦戦していた女子生徒からのSOSを受けたわけだ。
淳「頑張っとるな、照史」
照「！、淳太くん！！」
淳「うわっ、その危なそうなもん置いてきて！！」
生徒会長として準備期間、見回りをしている淳太の登場に尻尾を振って駆け寄っていく照史の姿は、犬さながらだ。
『桐山くん、頼れるし男らしいのに…』
『会長の前だと、なんか仔犬みたいやね』
淳「今年はだいぶ豪華になりそうやな〜」
照「おん！気合い入れとるもん！」
淳「さすが、副委員長」
照「やめてぇーや、みんながやらんからだし…」
淳「ふふっ、ごめんごめん
でも、完成、楽しみやな」
照「あっ！……淳太くん、後夜祭…
もし、生徒会が忙しくなければ、その…」
淳「ん？後夜祭はみんなと同じで、出るで」
照「そ、そんじゃ、一緒に出らん？」
淳「俺はええけど…他の友達はええの？」
照「えっ、ええのええの！！
ほんなら、楽しみにしとくな！」
淳「おん、頑張ってな」
照史以外の委員会の生徒にもニコッと微笑み、手を振ってその場を去って行った。
『会長美人さんよな…男から見ても』
『女からしたら、完全に敗北やで』
みんなが会長スマイルにやられていたのも束の間、いつもの数倍元気になった照史が「今日中に装飾終わらすでー！」と言い始める。
その言葉を聞き、各生徒も元の作業に戻り始めた。
『き、桐山くん…』
照「おん？どした？」
『あの、中間会長って…
彼女さんとか、いるのかな…？』
照「彼女…さん……
もしや、淳太くんのこと…」
『あっ！いや、ごめん、こんなこと聞いて…』
申し訳なさそうに眉を下げた同級生の肩をガッと掴み、真っ直ぐに目を見て伝える。
照「会長は…ああ見えて、風呂入らないんやで…？」
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ぽぽ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさん、コメントありがとうございます◯*｡初めてコメントいただき感無量です…！これから少しずつ気持ちの変化も書きたいな、と思っているので気長に待っていただけると嬉しいです♪なにせ、のぞむくんまだ小学生なので…笑 (2021年10月2日 13時) (
レス) id: 37c0aa486b (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 青桃の気配を感じ取ってニヤニヤしてしまいました☺️しかしお互いに自覚がなさそうなのでここから先どうなるのかソワソワドキドキです。更新楽しみにしています。 (2021年10月1日 20時) (レス) id: 127582e3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2020年12月27日 16時
