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episode.9 ページ10

望「りゅー、あぅー!」

流「のぞむ、きたで」

望「きゃっきゃっ!りゅうしぇー」

流「おん、かえろな〜」



保育園では一足先に着いた流星が、望と会話のようなものを繰り広げていた。

望は兄である崇裕の次に、智洋と流星にかなり懐いている。

もう1人の兄である大毅には、すでに対等に思っているのか、崇裕を取る奴だと思っているのか、たまに噛み付く。(言葉通り実際に噛み付く)



重「のぞむ!かえんで!!」

望「ぶぅぅ〜…」

重「なんやねん!さっきまでりゅーせとは、
  たのしそうにはなしてたやんけ!!」

神「のんちゃん、ほんまかわええ〜
  あっくんたちきたら、いっしょかえろな」

望「きゃーぃ!ちゃみちゃー、ちゃみちゃ!」

重「ちゃみ、ちゃう!かみ!かみちゃん!!」

神「ちゃみちゃんでええよ〜」

重「のぞむ…おまえかわいいけど…ずるいぞ…」



このやり取りもまた、保育園の先生たちの癒しとなっているとは、本人たちは知る由もない。

智洋に可愛がられている弟に嫉妬している大毅をわき目に、流星が「あ、」と呟く。



流「あきとたちや、あきとー!」

照「りゅーせー!もんちぃーー!!!」



保育園の玄関に、手を振りながら走ってくる少しぽっちゃりした少年。



崇「しげちゃーん、望、帰ろか〜」

重「はまちゃん!きょう、こうえんいっても…」

望「たぁー!!たぁー、むー、」

崇「よしよし望〜、今日もええ子してたか?」

重「ちょっと!きいてやー!」

淳「ほんま騒がしい奴やな、公園行きたいんか?」

重「おん…かみちゃんと、あそべなかってん…」

淳「ほんま、神ちゃん好きなあ」



淳太は優しく笑いながら、みんなの先頭に立って歩き出す。

照史は右手で智洋、左手で流星と手を繋ぎその後ろを歩く。

さらに後ろを望を抱えた崇裕が歩き、智洋の真後ろにピッタリと近づいて大毅が歩いている。



淳「しゃーなし、公園行くか!」

重「じゅんたあー!すきや!!」

淳「神ちゃんはええんか」

重「かみちゃんといっしょにせんといて!!」

淳「なんやねんほんまに…」

照「じゅんたくん、おれはすきやで!
  そして、もんちはしげにはやらん!!」



照史と大毅がギャーギャーと騒ぐ中、微笑む淳太と崇裕、キョトンとした智洋と望、歩きながらウトウトする流星。



小さな彼らの日常。

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作者名:ぽぽ | 作成日時:2020年11月30日 1時

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