虹彩にて変わりゆく日々【JW】 (ページ6)

今日:27 hit、昨日:6 hit、合計:80,476 hit

episode.5 ページ6

小学校の昼休み。

照「じゅんたくーん！！」

淳「照史！お前毎回4年生のクラス来て…
　友達と遊ばなくていいんか？」

照「やって、じゅんたくんとおる方がたのしい！」

照史は2年生にも関わらず、周りの目も気にせずに淳太のいる4年2組に来る。

照史が小学校1年生の頃から、登校班の班長は淳太だった。

その時に不安でいっぱいだった照史は淳太に優しく声をかけてもらい、そこからは淳太をかなり好いている。

まだ幼い照史には、それが智洋や流星に対する好意と異なるものだとは理解できていないが。

昼休み遊びに来るといっても、本を読んでる淳太を気にせず、一方的に話す。

照「山田せんせがなあ…」

照「もんちやばかってん！」

照「ほんまりゅーせー天才なんよ…」

大抵が今日の午前にあったこと、家での智洋の可愛さ、流星の珍事件などだが。

それでも淳太は結局本を読むのを止め、いつも聞いてしまう。

照史の子犬のような眼差しと、汚れなんて知らないような楽しげな話し方に引っ張られているからだろう。

崇「じゅーんたー…あっ、照史！」

照「はまちゃん！はまちゃんも話そうや！」

淳太が1人になることを極力避けようとしている崇裕が遅れて登場する。

結局、この3人は校内でもずっと一緒にいるのだ。

崇「へぇぇ～…神ちゃんはほんまかわええな～
　しげちゃん、昨日の夜はソースぶちまけて…」

淳「しげはごはんゆっくり食べられへんのか」

照「うぇぇ～、ソース勿体無いなあ」

淳「ソースの気持ちに寄り添えるのすごいわ」

こんななんてことない会話でも、3人にとっては最高に大切な時間だった。

そんな中崇裕は、ふとした時に照史の淳太への忠誠心を感じ、自分の気持ちと比べる。

子供ながらに、感じることはあるようで。

ただ、誰も明確には、それぞれの気持ちを本当の意味では理解できずにいる。

崇「じゃ、また帰りな、迎え来るから」

照「おれもむかえくんでー！まっててな！」

昼休みが終わるチャイムが鳴って、2人が忙しなく教室を出て行く。

淳太はヒラヒラと手を振り、帰りのみんなとの時間が待っていることを楽しみに、午後の授業に臨んだ。