episode.31 ページ33
カチャ…カチャ…
静かな朝食の時間。
晴れ渡った空、春の朝日がカーテンの隙間から食卓をほんのりと照らす。
『…そういえば、今日は小学校の卒業式ですね』
淳「おん、そうやな」
『照史くんももう中学生だなんて…』
淳「またうるさくなるわぁ」
『とか言って、嬉しいくせに…ふふっ』
淳「…そんなことあらへんし
あ、そういえば、神ちゃんと流星
ちゃんとプレゼント買えたんかなあ」
『あら、坊っちゃんは知ってらしたんですね』
淳「まあな、神ちゃんが俺だけに教えてくれてん」
『信頼されている証拠ですね』
遠藤さんに言われ、少し誇らしげに「1番年上やしな」と言った淳太が、何か思いついたように「あ、そういえば」と言葉を続ける。
淳「昔じいちゃんがくれたあれ…」
『…はい、はい、空き部屋に保管してありますよ』
淳「そか、よかった、それ持ってくわ」
…何やら遠藤さんに確認した淳太は、顔を綻ばせながら席を立ち、準備を始めた。
祖父や両親はもう仕事に行っていたため、遠藤さんに見送られ、家を出る。
神「おはよ、淳太」
流「………はよ」
淳「おはよ、照史は？」
神「卒業式のために早めに行く！って言って
なんか知らんけど気合い入れて先行ったで」
淳「卒業生はもうすることないやろ…
照史らしいけどな、もう泣いてたりして」
神「ふふっ、ありえるでぇ」
そんな会話をしていると、珍しく遠くから「かみちゃぁぁーーーん！！」という大毅の声。
崇「おはよぉさん」
望「おはよぉー！」
重「神ちゃん！と、その他！おはよ！！」
淳「その他ってなんや、引きずり回すぞ」
重「朝から物騒！神ちゃんから離れてっ！」
淳「お前にしかしないわ、そんなこと」
崇「はは、でもな、大毅かわいいねんで？
今日は照史の卒業式やから早く行くで！
って張り切って準備した結果、こうなった」
流「だからお迎え行く前に来たんや〜」
重「たかにぃ！言わんくてええ！」
神「しげ、なんだかんだあっくん好きやもんなあ」
重「かみちゃ…そんな、誤解や…」
淳「多分お前の想像してる好きと
神ちゃんの言ってる好きは、だいぶ意味違う」
望「のんちゃ、もうちょっと、ねたかった」
崇「望いつも、たっぷり寝とるのに〜」
流「俺も寝るの好きだから分かる」
神「卒業式、寂しいけど楽しみやな！行こ！」
智洋の声に続いて、6人で歩き出す。
3月9日金曜日、虹彩小学校卒業式の日の、朝。
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2020年11月30日 1時
