episode.30 ページ32
神「…行った?」
流「おん、見えなくなった」
神「よし、遠藤さんとこ行こ!」
友達と遊ぶ、と言ってみんなと帰らずに、少しだけ教室で時間を潰していた智洋と流星。
その後ギリギリ見えるくらいの距離を保ち、帰っていく照史たちを観察していた。
中学生組と合流し、幼稚園を経由した後、家に入っていく照史や大毅を見守ってから顔を見合わせる。
そして、中間家の家政婦さんである遠藤さん(お金の管理やその他諸々を担ってくれている)のところへ駆け足で向かう。
ピーンポーン…
中間家の重厚な門の扉がギギ…と開く。
監視カメラがついているため、来たのが桐山兄弟だと分かるとすぐに開けてくれたようだ。
『あらあら、どうしました?』
神「遠藤さん!千円だけ、お金くれませんか?」
流「照史に、買いたいものがあって…」
『そういえば…明日は小学校の卒業式ですね』
神「あっくん、卒業やから、おめでとうって…」
流「他にムダなもの買わんから、ええですか?」
『プレゼントとは時に、生きるために必要な
食べ物やお金よりも、大切な時がありますからね
特に、大好きな人からですと、余計に』
そう優しく微笑みながら、智洋の小さな緑のがま口財布に千円札を綺麗に折り畳んで入れる。
神「ありがと!!」
流「おおきに!とも、暗くなる前に行こ」
『気をつけていってらっしゃい』
遠藤さんに手を振られながら、小学校3年生組は近所の文房具屋さんへ早歩きで向かう。
神「なぁ、下敷きと鉛筆セット…どっちかなあ…
でも、メモ帳とか付箋とかもええのかな?」
流「う〜ん、中学生やろ?う〜〜ん……」
神「あかん、どれ選んだら喜んでもらえるんか、
わからんくなってきた……」
流「……あ、これは?」
そう言って流星が手に取ったのは、色とりどりのリングノート。
シンプルな見た目だが、連絡帳としてもノートとしても、お絵かき帳としてもただのメモ帳としても使えそうなもの。
流「これなら照史の好きなように使ってもらえるし
色も沢山あるから、カブりにくいんちゃう?」
神「ええな!さすが流星や」
流「問題は、何色にするかやな…」
神「う〜ん…あっくんて、明るくて元気で、
あったかい感じするやんか?
俺、いっつも太陽みたいやなって思っててん
やから、オレンジとか、どぉ…?」
無事プレゼントを購入した2人は、夕暮れでオレンジに染まる帰り道を、久しぶりに手を繋ぎながら帰った。
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2020年11月30日 1時