episode.24 ページ26
重「なあ、照史」
小学校を出て、十字路の真ん中辺り、塀にもたれかかった大毅が照史に話しかける。
智洋と流星は車にぶつからないよう、塀からあまり離れないように、今日の智洋のダンスを2人で小さく練習している。
照「なん？とうとうモンチに嫌いって？」
重「言われてへんわ！！
言われてたら多分俺はここに存在してない」
照「怖いこと言うなや…重いやつやな…」
重「重い、じゃない、愛情深いと言え」
照「物は言いようやな、まぁモンチはやらんけど」
重「なんっで照史の許可がいんねん！！
…って、じゃなくて、聞きたいことあってん」
照「ん？なんや？」
珍しく真剣なトーンで話し始めた大毅に、照史も目を合わせ、次の言葉を待つ。
重「照史、淳太のこと、好きやんな？」
照「？え？おん、好きやで？」
重「俺が、神ちゃんを好きみたいな感じで、
そのぉー……好き、やんな？」
照「んー？…あれ、うん、うん〜…？」
重「えっ、うそやろ！
んー、じゃあ、神ちゃんとか流星に対する
好きとは、明らかに何か違うやろ？」
照「…基本みんな好きやから、
深く考えたことなかったかもしらん…」
重「じゃあ、淳太が別の人と付き合い始めたら？
そのせいで、照史との時間が減ったら？
彼女が1番大切やって、淳太に言われたら？」
照「………嫌や。淳太くんのこと、俺が1番…」
そこまで言ったら、もうダメだった。
気づいてしまった、分かってしまった。
ここ最近、毎朝十字路で淳太と崇裕と別れる時に感じていた寂しさと、もどかしさと、崇裕に対するちょっとした嫉妬。
淳太と崇裕と照史、3人で小学校生活を送っていた時には感じなかった、綺麗とは少しだけかけ離れた感情。
重「なんや、自覚なかったんか…」
照「……みたいや
待って、めっちゃ恥ずかしい！！」
重「なんやのー！もう！
同志として、相談しようと思ってたんに！」
照「えっ？！しげも淳太くんのこと？！」
重「んなわけあるかい！！誰があの唇ゲルゲ…」
照「口、縫うぞ」
重「手先器用な奴に言われると怖いわ…」
戸惑った様子の照史を見て、「また今度でええわ〜」と言いながら智洋と流星の間に入りに行ったのは、彼なりの気遣いだろう。
照「淳太くんのこと、俺が1番…」
先ほど言いかけた言葉を、小さな声で呟いてみる。
��淳太くんのこと、俺が1番、好きや��
新しく、好き、に気づいた少年が、また1人ーー。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 267人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽぽ | 作成日時：2020年11月30日 1時
