episode.20 ページ21
ダダダッ…
崇「みんな、ごむぇーーーん！！！」
望「のんちゃ、わるくない！」
情けない顔をして淳太たちに謝る崇裕が、プンスカしている望を抱えて出てきた。
崇「ほなっ、行こか！！」
淳「のんちゃん靴履いてへんで」
崇「あゃ…」
崇裕に抱えられた望はご機嫌斜めな顔のまま、小さな足をプラプラとさせている。
流「望の靴下、かわええな」
望「おん！ぴんくのくまさん！」
神「のんちゃん、おはよぉさん」
望「かみちゃ、おはよ！」
崇「の、望、お靴履くで？」
ツーンとそっぽを向きつつも、きちんと玄関に座り大人しく靴を履かされる望。
大好きな崇裕を無視することはできないようだ。
照「望も靴履けたな！急ご！！」
重「神ちゃ…」
神「のんちゃん、おてて繋ご？」
望「おんっ！かみちゃんとつなぐー！」
流「しげ…どんまい」
淳「なんでのんちゃんプリプリしてたん？」
崇「んー、後で話すわあ…」
こっそり崇裕に問う淳太。
人の良さそうなへにゃっとした笑顔、だが少し困ったような顔をして、崇裕は答えた。
望を幼稚園までみんなで送り、少し歩いてから小学生組と中学生組で、逆方向の道に分かれる。
虹彩小学校と虹彩中学校は、幼稚園を少し西に進んだところにある十字路で、それぞれ右と左に進んだところにある。
照史、大毅、智洋、流星は左に、淳太と崇裕は右に進んだ。
照「淳太くぅん……」
淳「はよ行け〜」
重「神ちゃん、教室まで送る！！」
神「俺もうさすがに1人で行けるんやけど…」
流「俺、隣のクラスやから一緒に行くしな〜」
重「流星は余計なこと言わんでええねん」
崇「大毅はブレへんなあ」
可愛い弟と、弟分たちを眺めて優しく微笑む崇裕と、毎朝恒例の子犬の目をする照史を呆れたように見送った淳太も、歩き出す。
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2020年11月30日 1時
