虹彩にて変わりゆく日々【JW】 (ページ14)

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智洋が桐山家に引き取られた日。

その日は両親共に仕事が休みで、保育園も休んでいいと言われていた流星は、すやすやと眠っていた。

『流星、流星起きて、お話があるから』

流「んうぅ…はなし……」

母親に半ば無理やりに起こされリビングへ行くと、父親、照史、の他にちょこんとソファーに座る男の子。

流「あ…かみちゃ…」

神「…りゅーせ、おはよぉ…」

流「……？きょう、あそぶん？
　あ…ごはんたべな、おかん」

『あのね、びっくりしちゃうと思うんだけど、
　今日からともくん、流星と家族になるの』

流「………まいにちいっしょ？」

『そうね、2人は同い年だからー…
　ともくんのお兄ちゃんでもあるし、
　弟でもあるの、色々助けてあげてね』

流「おん、おれ、かみちゃんすきやし
　かぞく、うれしい、よろしくな～」

神「……うん！
　ぼく、まだようわからんのやけど、
　おかんとおとんがまいごさんみたいだから
　りゅーせーとかぞくなる」

照「なぁー！おれもおるで！！
　もんちもおとーとなるん、うれしい！」

『…素直な子たちでよかった……』

先に話を聞いていた照史が大喜びしたのは勿論のこと、流星も仲良しな智洋と家族になれることは嬉しかったようだ。

両親は、少し心配になるくらい素直で純粋な照史と流星に心の中でお礼を言う。

それから少し経ってから、桐山家の両親は離婚してしまった。

喧嘩別れではなかったようだが、大人には大人の事情があるのだろう。

照史たちの母親は崇裕たちの両親と同じく優秀な研究者で、智洋と流星が幼稚園に入園する頃に海外転勤が決まり、泣く泣く飛び立った。

実は、親からの生活費(現金)の使用に関しては、淳太の家の家政婦さんがたまに一緒に買い物に行ってくれることで、何とかなっている。

これは濵田家桐山家共に、中間家にお願いしていたこと。

流石にちいさな子供たちだけで生活するのには無理があるため、最初の1年間はなるべく火を使わない料理を中心に、家政婦さんが教えていた。

味噌汁にしたって、電気で沸かして注ぐだけのやり方を教え、スーパーのお惣菜を買うようしつけた。

家政婦を雇えば、とも思うが、逆にそれを断ったのは彼らたち本人だ。

子供は時に、大人には無い強さと根性を見せつけるものだ。

そんな彼らの不安な(周りが)日常も、数年経った今では、慣れたものである。

…頻繁に、近所の大人に助けられていることは、本人たちは知る由もないが。