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幼児化と色々解説編 ページ14

一匹の九尾の神殺しは、瞬く間に神々の間で取り沙汰された。

そろそろ日も沈むかと言う時間帯ごろ、出雲の伊勢神宮の本堂には、主要とされる神々が顔を揃えていた。

「なんと言うことを……」
「九尾ごときが神に手を出すなど、不敬が過ぎる。今すぐ磔刑にかけるべきだ！」
「阿呆かお主は！あの九尾は決して殺すことは出来ぬのだ！」

新米であろう神が磔刑を主張すれば、老齢の神に諫められた。
……そう、今回神殺しをした九尾は、こちらからは殺すことは決してしてはいけないのだ。

「あやつは各地の稲荷や土地神、つくも神、そして三貴子の御方々、ヤマトタケルノミコト殿、すべての烏天狗から護られておる。
あやつを殺せば、長く平穏であった神の世界は大きく荒れ、破滅する事もあるやもしれぬ」

「その上あやつは神の器じゃ……そちらから見ても殺すことはならぬ」

神の器、という言葉にピクリと反応する。
主人から目で制される。
神の器になれば、アイツは今のように自由でいられなくなる。
せっかく笑っているというのに。
力に縛られ、動くこともままならなくなる。

だから。

「……、！？おい！！貴様何をした！！」
「っかは！！」

ほくそ微笑んでいたオレの首に、黒い手がかかり壁に叩きつけられる。
ドン！と高所に縛り付けられ、そのままずるずると下ろされた。

「ッケホ、ガハッ！なにを、とは……？」
「しらばっくれるな！！」
何故、あの狐の呪いがとけている！？

ギャンギャンと叫ばれた内容は、他の神々をざわつかせた。
呪い、のろいか。
たしかにそれは呪いだ。

アイツには、近々妖力をなくし、感情を消して神の器……人形になる呪いがかけられていた。

「なんということを……！」
「それでは、次の神はどうするのだ！！」
「漸く復活なさるというのに！あやつが感情を取り戻せば、"また"封印されてしまうだろう！」

神々の怒りにより、伊勢神宮本殿内がどす黒い瘴気に染まった。

「やはり、あんた達が言っているのは、大神ではない、葬られた荒御魂の事か……！！」

大昔、一匹の産まれたばかりの狐がおった。
その狐は近々神の器になる予定であったが、その神が大神に反旗を翻す邪神であると聞き大激怒。
引き渡されるその場で邪神の喉仏を食い千切り、自分の妖力をめいっぱい使って無理矢理己の中に封印してしまった。

そんな神の中に伝わる、一匹の小さな狐の大きな勇気による献身と奮闘のおとぎ話の主人公。

それが、うちのたいせつな幼馴染様だった。

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