#Long_Slow_Distance (ページ10)

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We are dumb③ -SIDE：JN ページ10

-SIDE：Johnny

台所に水を取りに来たらたまたま毛布を抱えたウィンウィンがいて
これからAの部屋で皆で寝るんだって言うから
面白そうで着いていくことにした

Aの部屋に行くとドアが開けっぱなしになっていて、
すでにマークが先客としていた

俺の知らないところで何となく意味のありそうな夜になってることを察したけど
当のAが歓迎してくれたからお邪魔する

隣に寝転がるマークの体温は少しあったかい
安心してるのか、顔を見るとほとんど瞼が降りている

上体を起こして後ろを見ると、ウィンウィンとAは適切な距離を離れて並んで横になっていた
俺の立てた音が気になったのかAが顔を上げる

目が合うと、そのまま話始めた

「さっきマクに…日本にいた頃の話をしました」
「楽しい話？」
「うーん……。私にとっては良い思い出です」
「そうなんだ。いつかオッパにも聞かせてよ」

本当は気になるところだけど、無理に聞き出すのは違うから

Aが気にしすぎないように明るく言えば、
微笑みを浮かべるのが分かる

「ヨンホオッパ、ありがとう。ジョンウのことも、今みたいなことも。いつもあたたかく見守ってくれて…」
「当然のことだよ…みんないつも見守っているよ」
「オッパ、違うよ。全然、当たり前じゃない。ヨンホオッパの明るいところに、こんなに救われるの」

…きっと、シズニも同じ気持ちだよ

と言って歯を見せる妹に
胸の奥がじんとして、震えるようで…奥歯を噛み締める

「きっと、ウィンウィンも同じような気持ちで、新しい環境に行ける」
「…そうだな。俺達の可愛い子。またいつか一緒に楽しく笑える日が来ると良いんだけど」
「この子がいつでもふらっと戻れるように、私達がちゃんとここを守っていないとね」

そう話していると
実は起きているのか無意識なのかは分からないけど
ウィンウィンがAの近くに寄り添うように寝返りを打った

無防備なその姿にAは少しうるんだ目をしながら
俺はまた、胸の奥が掴まれる気持ちで、互いに顔を合わせて笑う

あたたかい気持ちのまま眠ろう

そう思って掛け布団を引き上げるタイミングで廊下の電気がぱちんと点いた

時間は深夜の3時で
こんな時間に徘徊する人は数名しかいない

？「…何、この状況」
「ヒョンも混ざりますか？(笑)」

片手にスマホ、耳にイヤホンをしたテイリヒョンは、俺達を楽しそうに写真を撮りまくった

その写真マジで送ってね…ヒョン