#Long_Slow_Distance (ページ11)

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親愛なる'夢たち'へページ11

夏の終わりに事務所の廊下で見かけた弟は珍しく項垂れていて…
思わず、どうしたの！って声を掛けながら隣に座ってみたら…

私の目をまっすぐ見つめて遠慮がちに手を伸ばしてくるマーク
こんな姿、出会ってから初めて見る

MK「ヌナ…」

気まぐれにふっとしてくる呼び方で
不安そうに大きな黒目を光らせるマークは幼い子供みたいだった

ずっと言及していたことがふと現実となって押し迫った瞬間、人の本性が出るみたい

誰より心配性で、だからこそ努力家として認められていたこの子があまりに辛そうで

手を繋いでみるとぎゅっと掴んで、引き寄せられる
近付くともっと感じる子犬感…

「ねぇ…ちゃんと眠れてる？何だか少し痩せちゃったね、マク」
MK「ヌナ、俺"卒業"するみたい。…決まったよ」

たった一言だけど、何のことだかすぐに分かった
テヨンヒョンにも報告済みだって言うからそっか、と相づちを打つ

沢山の曲を大事にしながら、一生懸命パフォーマンスしてきたマークを
私は本当に心から尊敬している

この敬愛の気持ちは言葉では言い表せない

「おいで、マク」

だから私は、受け入れるよ
マクが嫌がるかもしれないから遠慮がちにだけど…
両腕を広げると彼は一瞬、目を白黒させた

「誰も勘違いしたりしないから、いいから、おいで」

そう優しく促すと、どうにでもなれ！っていうふうにして
私の腕の中にぎこちなく入ってくるから、両腕を優しく抱いてさすってやる

全力ハグしないのは、やっぱり一応会社だし…
彼の名誉もあるからね…(笑)

「あなたはすごい人でしょ？ただ一人のマーク。ただ一人の…ミニョンでしょ？」
MK「ヌナ、ありがとう」
「最後まで、弟達と楽しむんだよ。悲しい顔は…たまにだけしてもいいよ(笑)いつもマークらしく、ヌナも応援してるからね」
MK「うん……ねえ、今日はどうしてこんなところに？」
「実は私も呼ばれたの。これから先生に会うんだけど…」
MK「先生に？直々に？何だろう。少し不安だね」
「うん(笑)でも、大丈夫。行ってくるね。あんたは…これからまたレッスン？」
MK「ヤー！ヌナ！何言ってるの。夕方から夜まで127でレッスンでしょ(笑)じゃあ、またあとでね」
「お…ごめん(笑) あとでねマク」
『Aさん…大好きです…』

少し照れながら、日本語でそう言って
首を締めるようにハグをしてくるからビックリしたけど、少し細くなった腕を抱きしめる

尊敬できる兄弟が沢山側にいること、私はいつも幸せだよ