長兄の怒り -SIDE:TI ページ3
-SIDE:Taeil
トイレからグループの控え室に戻る途中
廊下の角でマークが誰かに電話していた
「あ、ヒョン?チャルラヒョンからのカトク見ました?…はい、指示されたものは渡しました」
遠くからでも聞こえたのはそのくらい
マークは俺の姿に気付いたのか、"あっ"て顔をしてそのまま電話を切った
「別に気遣わなくて良いのに…」
「ヒョンお疲れ様。あのオレ、ちょっとマネヒョンのとこ行ってきます!すぐ戻るんで!」
今のやり取りだけでチャルラに何かあったのかと分かっちゃうけど…
マークは分かりやすいから、特に聞かれたくない話は廊下で話しちゃダメだって教えてあげないと
走って行った背中を見送ってから扉を開けると
ソファでジャニがカメラを弄ってる姿が飛び込んでくる
他のメンバーも各々の時間を過ごしている
チャルラは?ってジャニに聞こうとした時、ふと人の気配がした
見ると、衣装が並ぶ部屋の隅っこの影
一瞬スタッフかと思ったけど、衣装はチャルラのもので、小さな背中をこちらに向けてモゾモゾと動いてる
ゆっくり近付いて後ろから覗き込むと、足元をくつろげてるチャルラ
見ちゃいけないのを見ちゃったかも、って思った瞬間
青く晴れた上がった足首がちらりと覗いて息を飲む
いつから怪我してた?
気付いたらチャルラが俺の方を振り返ってびっくりした顔をしてるから、俺も心の中で慌てる
何か言わないとと思い、ひとまず何も見てないふりして尋ねる
…チャルラから打ち明けてくれると淡い期待を抱きながら
「なあ、こんなところで何やってんの?(笑)」
「ヒョン…びっくりした。もう〜、真後ろに居ないでくださいよ(笑)」
チャルラは普段通り、おどけて言った
本人はそんなつもりはないのかもしれない
でもその態度を見たら、急に悔しさみたいな感情が沸き上がってきて…
うまく言えないけど、心臓をわしずかみされたような痛み、こめかみの辺りが熱くなる感じ
余裕という感情がこの時、どこかに行ってしまった
「おい…そうやって、お前はいつまで俺達に頼らないつもり?辛いときはいつもマークに負担増やさせるの?」
俺はカッとなってそのまま、思ったままにチャルラに伝えた
こんな事を言ったら…こんな態度で言ったら
この子がひどく悲しむことを知っていて
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作者名:F | 作成日時:2018年8月15日 2時