Short film�� ページ9
あの後…
テヨンヒョンが最初にリビングを出て
微妙な空気のままで解散した
シャワーを浴びて自室で横になっていると、控えめなノックの音
時計を見ると夜中の3時
返事もしてないのにドアが勝手に開く
こんな自由なことをしてくるメンバーは多くない…
というか、1人しかいない
「ヒョーン！起きてるよね〜？」
「…ドンちゃん。ノックした後はどうするんだった？」
「はい〜！と返事が聞こえるまで待つ」
「分かってるなら…」
「僕にはヒョンの心の返事が聞こえましたよん」
「…バカ(笑)」
起き上がって見るとすぐそこに真夜中の侵入者・末っ子ヘチャン…ドンヒョクの姿
もう今にも眠っちゃいそう！って顔なのにどうしたんだろう
「あとなるべく深夜に訪問するのも控えてほしいんだけど…分かった？」
「ヒョンっ！今日ぼくこの部屋で寝ますけど、良いですよね？」
『…はい？』
思わず日本語が飛び出る
「ねえ、あんた同室誰だったっけ？」
「僕の同室？ヒョンですよう」
「違うじゃん…私、1人部屋だもの」
「じゃあ今日は特別！朝まで僕がルームメイトでーす。あら嬉しいね〜？ヒョン♪」
マンネはちゃちゃっとベッドに乗り上げて、私のお気に入りのぬいぐるみを抱いている…
一体なんなんだこいつは？
もう…何でもいい
今日は撮影から配信までして、もう疲れた
黙って少し離れて横になるとぴたりと背中に引っ付いてくる
「ねえ、あっち行って」
「ヒョン眠れないんでしょう…さっきリビングの声が部屋まで聞こえて」
「そう。悪かったね」
「その…ヒョン達を責めないであげて下さい。悔しいけど僕には口出せなくて…でもチャルラヒョンのこと放っておけなくて来ました(笑)」
「何で笑うの…とても慰めになってるのに」
「…あの、覚えてますか？"ペンから貰った手紙の言葉"」
お互い視線が合わないままヒソヒソ話していたけど、その言葉を聞いて静かに寝返りを打つ
暗闇の中、この子が抱えるぬいぐるみと目が合う
「あの日も遅くまでペンのこと話しましたよね」
「うん…よく覚えてるよ」
「一緒に【Limitless】の撮影をして、その夜でした…今また話していい？」
素直に頷くと
ドンちゃんはふふっと笑う
「あの時、私宛の手紙を持ってきてくれた」
「バンに乗る時、ヒョン宛って差し出すペンが居たんですよ。多分…ヒョンと同い年くらいのヌナでした」
あんたがそうやって
びっくりしちゃうくらい優しい声音で話すから
私は訳もなく涙が出そうになる
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作者名：F | 作成日時：2018年5月25日 3時
