短編SHOW Part2 （しょーさんのおはなし中心） (ページ6)

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風邪声ページ6

『Aさぁ、この風邪で病院行った？』

『いや、仕事の都合とかで行けてない。でも、熱出た訳じゃないし、そのうち治るって。』

『なぁ、今から行こ？』

『どこに？』

いやいや、どこに？ってこの状況で考えられるのって病院しかないでしょ？
何を寝ぼけたことを言っちゃってるんだか…

『救急診療してくれてる病院。』

俺がそう言うとAは行かないと言ってソファーから立ち上がり寝室に向かった。

俺は財布と携帯と車の鍵をポケットに入れ、Aの携帯とバッグを手にして寝室を覗くと部屋着に着替えようとするAの姿。

『A、着替えないでそのまま行くよ！』

『大丈夫！行かない！！』

『ダメ！行く！！』

『行かない！！』

このやり取りがしばらく続いた。

病院嫌いなのは知ってるけど、そこまで拒否するか？

さっき俺が聴いた心音は遊びでメンバーの心音を聴いた時の音とは完全に違ったから俺はとにかく早く病院へ行ってほしい。

『んじゃぁ、俺の友達の医者呼ぶよ。それならいいだろ？』

『…………病院行く…』

あれ？？なんで？？突然？？？

羽織る物を持ち、玄関へ向かおうとするA。

慌てて俺もAを追いかけた。

病院での診断は風邪が悪化し、肺炎のなりかけ。

入院とかはしないで済み、薬を貰って帰宅。

帰りの車の中で安心したような顔をしてるA。

『なぁ、何で急に病院行くって言ったの？』

『だって…』

『ん？？』

『翔の友達に聴診器当てられるのなんか恥ずかしいもん。それに翔だって友達に見られるの嫌でしょ？』

いやぁ～可愛いこと言ってくれるじゃないですか！！

Aの愛を感じること出来たし、病院へも行ってくれたから何はともあれ良かったよ！！