短編SHOW （しょーさんのおはなし中心） (ページ20)

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現実はこんなもん？ページ20

そんな中、突然鳴りだした携帯。

テーブルに置いてあった彼女の物。

メールの受信を知らせている。

見てはいけない。

見たって何もいいことなんてないんだから…

でも、俺は見てしまった。

『昨日はどうも。楽しかったよ！彼には怒られなかったかな？』

宛名はどう見ても男の名前。

どういうことだ？

浮気？？

俺の不安を煽るようなメールの内容。

彼女の携帯をテーブルに置き、酒を煽る。

『あっ、翔。お帰りなさい。』

お風呂上がりなのだろう。
タオルで髪を拭きながら笑顔でリビングに入ってきた彼女。

『私も明日休みだから飲んじゃおーっと！』

と言って、自分のグラスを持ち、俺の横に座り酒を注ぐ。

言うか、言わないか…俺の中での葛藤は続く。

一緒に居ても居ないのと同じような感覚。

『はははっ！相葉ちゃん！おっかしぃ～！はははっ！』

俺らの番組を視聴者として楽しんでる。

俺のグラスが早くも３回目の空を迎えた。

今までだったら彼女がいいタイミングで注いでくれてたこのグラスも、ＴＶに夢中でただ笑ってる彼女を尻目に自分で４杯目を注ぐ。

『あっ、ゴメン。』

俺が手酌する姿が視界に入ったのだろう。

俺に謝る君。

別に謝ることじゃねぇよ。

それとも疚しいことがあるから俺に謝ってんの？

『Aさぁ…』

『ん？何？？』

『いやっ…いいや。何でもない。』

『そ？？』

前までだったらそんな返しだったかな？

『どうした？言いかけたんだから言ってよ！』って言ってくれたよな。

俺らの関係って俺が気付かない間に変化してしまったんだな。

４杯目が空きそうになった頃。

『A、メールどういうこと？』

『メール？』

訳のわからない顔をしている。

Aに携帯を見せた。

『翔、見たの？』

『悪い。見た。』

二人の間に沈黙が続いた。

それがきっと答えなんだろう。

『ゴメン。翔。』

『それは何に対してのゴメン？浮気したからゴメン？』

『ゴメン。』

抱きしめて一回ぐらいの浮気を許してやればいいのかもしれない。

毎日遅くに帰ってきて、生活時間帯が違う俺ら。

だから少しでも一緒に居られる時間を持つ為に一緒に生活し始めたのに。

俺は大事にしてたはずなのに、それはつもりだけだったのかもしれない。

『翔、もう一緒には居られないよね。早めに部屋探すから。見つかるまではここに居させて。』

しばらくして彼女から出た言葉。

きっと彼女の中で結論は出てるんだ。