短編SHOW （しょーさんのおはなし中心） (ページ16)

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夢と現実ページ16

『これからは彼氏役でもなくて、アイドルとファンでもなくて、俺の隣に居てくれませんか？』

耳元で言われたその言葉に動揺は隠せなくて、涙が止まるのが自分でよく分かった。

『翔…くん…ホントに…？嘘でしょ？』

私はそう答えるのが精一杯だった。

『嘘じゃない。いつかちゃんと出会えるの待ってた。これがちゃんとしてるかは分からないけど、２度目はないと思ってるから。』

彼は私の目を見て話してくれた。

『私ね、自分が連絡したいときに連絡出来て、翔くんと話したり出来たらどれだけ幸せだろうってずっと思ってた。
いっつも翔くん見て助けられてた。
これ、夢じゃないよね？』

『これからは話したい時にはいつでも連絡して？会いたくなったら我慢しないで言って？
これ、夢じゃないよ？』

一瞬、私の唇に何かが触れた。

瞬きをするのも忘れるぐらい驚いて身動きが取れない。

『あれ？足りなかった？』

ニヤリと笑って次の瞬間、さっきより長い時間、翔くんの唇が触れた。

『ご飯、俺も食ってっていい？』

翔くんの嬉しそうな顔見たら私は頷くことしか出来なかった。

『あと…Aって呼んでいい？』

恥ずかしそうに言う翔くんにまた私は頷く。

『俺のことも翔って呼んで？』

『えっ？それは…恥ずかしい。』

俯きながら言うとまた翔くんは私の唇を塞いだ。

『んっ…しょっ…くんっ…』

さっきとは比べものにはならないくらい熱い。

息も出来ないくらいのものだった。

『翔って呼んでくれないとずっと塞ぐよ？』

ニヤリとしてやったりの顔をしてる。

『そんなこと言って…キャラじゃない。』

『テレビはテレビ。これが実際の俺。
Aはこっちの俺は嫌い？』

首を横に振り、答えた。

彼はまたギュッと抱きしめてくれた。

『翔？』

『はぁい？』

耳元で聞こえる優しい彼の声。

『ありがと。』