karte 164 −灯台下暗し− ページ4
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あいつ、一体どこいったんだ…
部屋を出てきた勢いを失い
トボトボと廊下を歩く。
そしてハッと、置いてきた人のことを思い出す。
何やってんだ、俺は…
もう何事もないとは思うが
あそこに彼女がいることを知る者は
ごく僅かしかいない。
慌てて飛び出してきた部屋へ戻った。
――そこに潤の姿があった。
｢お前なんで…！｣
｢シッ！大きな声出すな。
今、眠ったところだ。｣
｢…彼女は？｣
｢落ち着いてる、もう大丈夫だ。｣
｢でもお前…どうして、なんでここに…｣
｢……ちょっと場所を移すか。｣
そして同じフロアにあるリネン庫に入る。
｢ここならしばらく誰も来ないだろ。｣
｢お前…どこにいたんだ？
ずっと探し回ってたんだぞ。｣
｢ん？ああ…さる高貴なお方の診察をな…｣
｢…高貴なお方？｣
｢ああ…そういや、お前によく似てたな。
…ま、関係ない話だ、気にすんな。｣
｢お前ナニ言ってんだ？？
それよりお前、なんであそこに…？｣
｢オペの後、麻酔科の看護師がヒソヒソ話してたんだよ。
この分じゃ、そのうち病院中に知れ渡るのも時間の問題だな。
で？探してたって何の用だ？そのことか？｣
｢……分かってるんだろ？｣
｢……何が？｣
｢とぼけんなっ！！分かってんだろ！？
なんで彼女があそこにいたのか！
どうしてそんなことになったのかも！｣
睨みつける様に潤を見つめる。
部屋の中の備品を見回すようにしていた潤が
ゆっくりと視線を戻し
真っ直ぐに見つめ返された。
あの、漆黒の瞳で……
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