karte 181 −旧知− ページ21
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この病院に来てからも
やってることは向こうにいたころと大差なかった。
男だろうが女だろうが
使えそうな奴に近づいては
そいつの望むものを与えてやるんだ。
そうすると、どいつもこいつも
あっさり俺のこと信用して
今度は俺の望むもの、なんでも与えてくれたよ。
俺が手術を拒まないのも
女…時には男と寝るのも
全ては俺の欲しいものを手に入れるため
そのための手段に過ぎない。
もちろん、そいつらの弱みを握るのも忘れてない。
万が一にでも綻びが出ないように…
でもそいつらは俺の思惑になんかこれっぽっちも気づかず
ただただ俺の望むモノを垂れ流し、与えてくれた。
ある者は地位を…ある者は情報を……
俺にもたらしてくれた。
そしてある日……
俺はついに見つけたんだ。
｢……この病院の奥深く…
人知れずひっそりと眠っていたあるモノをな……｣
｢……ある物？なんだよ！？何を見つけたんだ！？｣
それまで、まるで言葉を失ったように
黙ったままだった翔が
徐に口を開いた。
｢ふふっ…まあそう急ぐなよ。｣
｢潤！｣
｢……知りたいか？｣
｢ああ！当たり前だろ！｣
｢やれやれ……俺が見つけたのはな……｣
｢……｣
｢カルテだ。｣
｢カルテ？誰の？…あ、まさか…！｣
｢ああ、そうだ。
俺の弟、
｢そんなものが…どこに……｣
｢そしてもう一つ……｣
｢もうひとつ…？｣
｢……ある代議士のカルテがあった。｣
｢代、議士…｣
｢きっとお前が良く知る男の名前が書いてある、な。｣
薄暗い駐車場でもわかるほど
翔の顔色が変わった。
｢その、代議士って…まさか…？｣
｢ああ、そのまさかだ。｣
｢……｣
｢民自党の近藤先生…お前もよく知ってるだろ？｣
その名前を聞いたとたん翔は頭を抱え
そのまま崩れ落ちるようにその場に膝をついた。
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続く (更新停止中)
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