karte 163 −不在− ページ3
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彼女の話を聞いて
俺は咄嗟に部屋を飛び出していた。
潤は…潤はどこだ？！
潤を探さなきゃ……
会って、直接話を聞かなきゃ……
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確か今日はオペが2件入っていたはずだった。
担当看護師にスケジュールを確認する。
｢ああ、そのオペなら、先程無事終わりましたよ。
たぶん今、ご家族に術後の説明されてるとおも……｣
｢サンキュ！｣
｢あ、先生、3番ですよー！！｣
看護師の言葉の途中で、また走り出し
背中に声を受けながらその場所へ向かう。
4Fにある手術室のすぐ近くに
家族のための待合室が用意されている。
術後の説明も、そこで行われる。
背中に投げかけられた番号の
部屋の前まで来たものの
既にそこには人気がなかった。
もうICUに行ったのか？
そう思い、手術室にほど近いICUに向かうが
そこにも潤の姿はなかった。
近くにいた看護師に声を掛ける。
｢あ、ねえ、松本先生は？｣
｢あれ？先程までいらしたんですけど…
…ねぇ、松本先生は？｣
｢あ、もう指示終えて戻られたと思いますよ？｣
｢ありがと！｣
そういうと走り出した俺に
看護師たちがポカンとしているのがわかったが
構ってはいられない。
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潤を探さないきゃ…
潤と、話をしなきゃ……
そしてあいつの口から
真実を
全てを聞かないと……
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再び医局に戻るが
やはりそこにも潤の姿はない。
｢松本先生ですか？まだ戻ってきてませんけど？｣
部屋にいた研修医に聞いても
誰もICUを出た後の潤の姿を見ていないようだった。
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潤のヤツ、どこいったんだ？
思いつく限りの場所…
カフェテリアや、あの3Fの渡り廊下
潤がいたことのある場所を片っ端から探して回った。
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でも、そのどこにも
潤の姿を見つけることはできなかった。
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