karte 174 −交換条件− ページ14
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｢……本当に、いいのか？｣
｢ああ……｣
｢自分の言ったことがどういうことか
わかってるんだろうな？｣
｢ああ、もちろん分かってる…
でもその代り…教えて欲しいことがある。｣
｢ふん…なんだ結局条件付きか？｣
｢なんでもお前の言う通りにする。
でも、これだけは教えてくれ。｣
｢…何をだ？｣
｢お前は……やっぱりあの『遺族』、なんだろ？｣
｢…だったらなんだっていうんだ？
今さら…｣
｢俺に本当のことを教えてくれ！
あの時この病院で何があったのか…
どうして少年が犠牲になったのか…｣
ふっとひとつ息を吐くと
潤は俺から体を離し、背を向けた。
｢…それを知ってどうする？｣
｢どうしてって…そんなの決まってんだろ！？
これからのためだ！
この病院の…ここに来てくれる患者さんの…
そして何よりお前自身の！！｣
｢俺？…｣
｢そうだ、お前自身のだ！
今まで抱えてきたんだろ？ひとりで！
お前の目的がなんなのか、俺は知らない。
でもそんなのはもうどうでもいい。
親父を、この病院を陥れることで
お前の真の目的は果たされるのかもしれない。
でもその後は？
その後のお前には何が残るっていうんだ？｣
｢……｣
｢俺はその後のお前が心配なんだ。
どうしたってほっとけないんだよ！
だって俺は…っ！｣
思わず言葉を飲み込んだ。
今は…
今はそんなこと言ってる時じゃない。
もっと大事なことがあるんだ。
俺の想いなんかより
もっともっと大事なことが……
｢…翔？｣
訝しげに潤が俺を振り返り
向き直ると正面から俺を見据えた。
｢……いいだろう。
俺の知ってることを話してやる。｣
深い深い吐息の後に
潤が語り始める。
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