karte 172 −最後通告− ページ12
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｢っ…ん……やっ……め、ろ……！！｣
物凄い力で体を捩って
俺から逃げる。
｢なんで……｣
｢………｣
｢どうして、こんな……っ！｣
怒りに顔を上気させ
潤んだままの瞳で
非難するように俺を睨む。
｢。。。ああ、そうだ。
許しを請う以外に
お前にできることがもう一つだけあったな。｣
｢えっ？……｣
｢お前…俺を、ひとりにできないんだろ？｣
｢じゅ……｣
｢あのバカな女も、もう使いもんになんねぇし…｣
｢な……おま……｣
｢あの新人くんも、ぶっ壊れちまったしな…｣
｢お前！｣
｢だから……｣
｢だ、から…？｣
聞き返す翔に
俺は最後通告ともいえる言葉を投げつける。
｢お前が俺を愉しませろよ？
アイツらの代わりに…
俺のこと、ほっとけないんだろ？なぁ？｣
｢潤……お前、何いって……｣
｢…なんだよ？今さら前言撤回する気か？
お前、病院を守りたいんだろ？
それも所詮上辺だけの綺麗ごとだったのか？｣
｢ちがっ…！！｣
｢結局お前もあの男と同じってことか？｣
｢あの、男？｣
｢……院長、お前の親父だよ。
上辺だけ取り繕って体裁だけ整えて
その下でもがいてる奴のことなんて見て見ぬフリだ。｣
｢俺は…俺を…アイツと一緒にすんな！！
俺は親父とは違う！！
俺は苦しんでる人を見て見ぬフリなんてできない！
絶対しない！！だからっ！！……｣
ああ、知ってるよ。
お前がそういう奴だってことは
俺だってよく知ってる。
お前が、あの父親とは全く別の
熱い志を持った男だってのは
お前と知り合ってから
いやってほど実感させられたよ。
でも俺は…
俺はもう、今さら止めることはできないんだ。
幼い命を奪われた
その後を追うように
あっけなく逝ってしまった母さんのために…
今の俺があるのは
その2人のためだけだ。
そのためだけに、俺は今まで生きてこれたんだ……
翔…
許してくれ……
。。。いや、許さなくていい。
お前に憎まれ、蔑まれた方が
俺は、今までの俺でいられるんだから。
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