外科医 MJ -Chapter 1- (ページ2)

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karte 01　－出逢い－ページ2

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"トントン"

｢入りなさい。｣

｢失礼します。｣

｢やっと来たか。
ずいぶん待たされたぞ。｣

｢申し訳ありません。
容態が急変した患者さんがいたもので…｣

｢…まあいい。
それより紹介しよう。
来月から、うちに来て頂くことになった
松本先生だ。｣

｢…松本です。｣

｢櫻井です。よろしくお願いします。｣

｢よろしく…｣

｢松本先生は
ずっとテキサスメディカルセンターの
研究チームにいらっしゃって
心臓外科が専門だが
外科全般のスペシャリストでもある。
これでうちの病院も安泰だな。｣

｢ええ、私も松本先生のお噂は
方々で伺っています。｣

｢………｣

…親父、嬉しそうだな。

ま、念願かなって

アメリカから超一流の先生を呼べたんだ。

当然といえば当然か…

｢ご一緒できて光栄です。｣

そういって、差し出した俺の手を

一瞬、不思議そうに見つめてから

彼は、力強く握り返してきた。

｢こちらこそ
この病院で仕事ができるなんて
まるで夢のようです。
これからが、楽しみですよ…｣

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そういって微笑んだ

彼の瞳の奥底に宿る光に

その時の俺は

まだ気付いていなかった。

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