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引越しの挨拶 ページ1

世間で言う「春休み」の間に


マンションの隣の空室が久しぶりに埋まった


ドタバタと引越し作業をしてるのを引きこもってる部屋から音だけ聞いてて


N「…変な人じゃないといいなあ」


自称引きこもりの俺は在宅プログラマーで


別に外に出なくても食ってけるから結構いい部屋に住んでるんだけどね


ファミリー向けのこのマンション


お隣も一人じゃなさそうだし(でも子供の声はしない)


N「いい人でありますように」


ずっと平和だった俺の暮らしが


この春で、ちょっとだけ変化する





ある休日の朝


ピンポンとインターフォンが鳴って重い腰を上げてモニターを確認すると


見慣れない男性が立っていた


N「…はい?」


『あ、あの…隣に引っ越してきましたので挨拶を…』


N「ああ、ちょっと待ってクダサイネ」


今時律儀だなあと思いながら思いっきり部屋着で扉を開けると


一人だと思っていた男性は実は二人いて


S「隣に引っ越してきました櫻井です。これ」


N「あ、ありがとう、ございます」


お菓子だろうか、小さな紙袋を手渡された


そして


J「松本です。わからないことだらけなんでよろしくお願いします」


N「…あー、はい。よろしくお願いシマス」


ペコっと頭を下げたら櫻井サンの方が深くペコっと頭を下げてくれた


S「じゃ反対側」


J「ん」


失礼します、と礼儀正しく二人は言って


部屋の反対側へ


N「…丁寧な人だなあ」


変な人には見えなかったし、ちょっと安心


でも


N「…兄弟?…でも苗字ちがくね?」


どっちもイケメンで、どっちも好青年で


N「…いやあ、まさかね」


最近流行ってる、アレ?


でもそんな身近に


いると思わないじゃん


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作者名:なち
作成日時:2016年12月30日 14時

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