８３話 声 [櫻井] ページ9
ニノ「ハイ、ハイ！ちゃんとズルなしで。リーダ！リーダ早く」
智「え〜…？」
相葉「買い出しじゃんけんだって」
智「いや、もうダメだって！俺だってもう疲れたもん」
相葉「ちゃんとちゃんと(笑)」
錆び付いた倉庫のシャッターを上げて
砂埃が巻き上がるコンクリートの上に立つ。
庭の芝生に寝転がってダダをこねる智くんの手を引っ張り
無理やり立ち上がらせようとしているニノと相葉君を
松潤と一緒にちょっと笑って振り返った。
ワイワイうるさい声を背中に聞きながら
舞い上がったままなかなか落ち着かないホコリを手で払って
松潤が倉庫の奥へと入っていく。
煤けた古いコンロとアウトドア用の簡易イス、
とっくに湿気っているだろう炭の袋を
棚の上に手を伸ばして下ろした。
軍手と焦げたうちわを手にシャッターから顔を出す松潤の横に立って
ようやく起き上がった智くんに群がる二人を笑う。
「ちょっとさぁ、待ってゴメン(笑)先に言っといていい？」
潤「うん。の方がいいと思うよ(笑)」
「ゴメン、相葉君とニノ買い出しで」
ニノ・相葉「おい！！！」
潤「だってお前らどうせこっち役たたねえだろ」
ニノ・相葉「おい！！」
「智くん。アンタ器用なんだから手伝ってね」
あからさまに嫌な顔する智くん。
駐車スペースに松潤とコンロを運んで
ずさんな管理のわりに、意外とまだ使えそうな炭を一応敷いてみる。
潤「翔くん新聞紙ある？」
「うん。取ってくる」
買い出しへ出かける二人の背中が道の向こうに遠くなるのを視界の隅に
全開にした縁側でサンダルを脱ぎ捨てて
リビングの新聞立てまで急いだ。
智「あ〜〜、翔くん蚊取り線香も！」
潤「え、もう刺された？」
智「まだ、もうちょっと。かもだけど」
潤「…どうゆうこと？(笑)」
智「まだ刺されてはな…」
潤「翔くん蚊取り線香って玄関の物置だよね〜？」
智「最後まで聞きなさいや」
潤「え、俺？ごめんごめん(笑)」
「何〜？なんか言った？」
潤「リーダーが蚊取り線香だって。物置だよね？俺とってくるわ」
「あ、うん」
新聞を手に戻ってくるのとすれ違いで
松潤が玄関の方へ歩いて行く。
コンロの前でチャッカマンを手にした智くんが
「翔くん早く〜」
って呼ぶ声が、切なくなるほど穏やかで
俺は上手く笑えないまま走った。
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あかり - ぜひ見させていただきます！！ (2015年8月9日 21時) (
レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - あかりさん» そう言っていただけると本当に嬉しいです！よければ他の作品もよろしくお願いします。 (2015年8月9日 20時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
あかり - とてもおもしろかったです！完結おめでとうございます((o(*>ω<*)o)) (2015年8月5日 21時) (レス) id: 1ac7fc90e9 (このIDを非表示/違反報告)
ふみちゃん(プロフ) - 花夜さん» 花夜さん、ありがとうございます。今後の励みになります♪ (2015年7月30日 22時) (レス) id: f36ed0f5f4 (このIDを非表示/違反報告)
花夜 - 凄く面白いです!!! (2015年7月27日 15時) (レス) id: 7e159a367e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふみちゃん | 作成日時：2015年5月20日 17時
