Bon voyage 2 (∞) (ページ6)

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糸 ⑥ ページ6

Side yellow

習慣ってのは、クセとおんなじや。
やから、まあ。直せ、言われたところで簡単に直るもんちゃうから、なあ。

「おいA、」

「…」

「ええもん作るんは俺らやろ。謝ってその場が収まって、仕事スムーズになると思わんでええねん。俺らが納得いくまでやらんでどうすんねん」

「…」

強いと思い込んでた。
でも、この間すばるくんの腕の中で泣きじゃくるAを見たときに思った。

強い、ってなんやろう？って。

正直、俺なんて喧嘩ばっかりしとったわけやからさ。弱さどころか強がりばっかり目にしててん。

…でも、あんとき等身大のAを見せてくれてたんも俺ちゃうかな、って。喧嘩なんてお互いの弱さの見せつけ合いちゃうかな、って…思ってな。

「やっぱり女の子がいるとな～」

「…すみま「あの」」

守るってよりかは、俺は、こいつと闘いたいねん。
もっと広い世界をみるために、こいつと。

「さっきから何すか？俺らに言わんとAだけに言うのもそうですし、はじめっからこいつおることも知ってて企画してんちゃうんすか？」

「りょ、「こいつがおるから出来ひんって言うなら、俺ら全員できませんわ」」

自分だけが傷つけばいいとか、そういうことちゃうねん。

傷つくなら一緒に傷つきたいねん。
そういうことちゃうの？痛みを分け合うって。

「こいつがオンナやからって舐めんな。少なくともここに立ってる時点で俺らと対等や」

俺のことで他のJr.と言い合いなって、階段から落とされたときにできた傷がまだ後頭部にあるのんも

衣装隠されて困ってたときに、自分の衣装嘘ついて渡して「勝て」って言ってくれたんも

俺、まだちゃんと恩返せてへんねん。

やからこの先一緒におれるまで、ずっと返したんねん。いらん、って言われてもずっと。

「…りょー、」

「お前も黙ってんとなんか言えや！そんなんやから好き勝手言われて舐められんねんぞ！アホ！」

「なっ、りょーがキャンキャン言うてるからやんか！」

「キャンキャンてなんや！犬みたいな言い方すんな！」

「Jr.ん頃からずっと犬やわ！」

「お前に言われたないわ！」

あ、と思ったときには年上三人のため息。
マルと章ちゃんは苦笑いしてるし、大倉はなんや腹抱えて笑っとる。

「…そういうことですわ。さ、あとちょっと巻いて帰るで～」

「っしゃ、村上くんご飯連れてってくれるって！」

「おい」